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宮野志保≠シェリー
官能リレー小説 - 二次創作

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宮野志保≠シェリー 6

一層高々と声を張り上げる彼女に対する朧げだった想いが腰を只打ち付ける度、段々とはっきりして来る事に新一は気付いた。
耐えず喘ぐ彼女が新一の首元へ腕を延ばし、愛おしむ様にその肩へ顔を埋め紅い印を残す。
新一が動きを早め先程以上の力で女性を突き上げる。
霧が取り除かれるかの様に明白になって行く彼女への想いが、遂に明かされた。
これは――堪らない独占欲、そして愛情だ。
それを自覚した途端、新一は女性の中に熱い精液を放った。



新一は勢いを付けて飛び起きた。外はまだ、陽の日差しは無くほんのり薄暗い。
頭部から爪先に掛けて大量に汗をかいている事に気付いた新一は、頭を掻くと布団を剥ぎ取った。
一体、あの夢は何だったのか。
見慣れない、それでも何処か知っている美しい女性の存在。
それから彼女に対して感じた深い愛情と悍ましい程の独占欲。
新一は訳が分からなかった。
唯一分かった事は、あの女性は自分が恋い焦がれる毛利蘭ではない事――それから蘭に対する愛情とは違う、それ以上に強烈な愛情を抱いていた事だけだった。
しかしその事を疑問がる余裕は今の彼には無かった。
再び、堪え難い疲労感と睡魔に襲われたのだ。
服とシーツを取り替えるつもりだったのだが、どうやらそんな気力すら微塵も無い様で、それ所か上半身を起こしているその状態すら辛くて、略意志とは関係なく身体から力が一瞬にして抜けベッドへ倒れ込む。
次の瞬間には、再び深い眠りの森へと舞い戻っていた。

実はその夢の女性なのだが、新一の隣人であり先日までクラスメイトだった灰原哀の本来の姿――宮野志保であった事を、新一はまだ知らないし、脳裏に掠めもしなかった。



彼は重たい目蓋を抉じ開け辺りを見渡した。
熱い程の快晴、眩しい太陽。どうやら昼時の様だ。
彼は今朝の様に上半身だけを抱き起こすと軽く背伸びをする。
あの疲労感が嘘のようだ。怠さも微塵も無い。
一瞬不思議に思ったがその事を考えるより早く疑問が次々と沸き上がって来る。
学校は完全に遅刻である。毎朝迎えに来る筈の蘭はどうしたのか――あの夢は何だったのか――夢で付けられたあのキスマークは――新一は上着を脱いで場所を確認する。
勿論そこに跡は残されていなかった。
態々確認してしまった事に自嘲しながらふっと携帯に目をやり、手に取ると開く。
怒濤の如く着信履歴が溜まっていた。宛名は勿論、蘭である。
履歴を辿って行くとどうやら休み時間事に何度も掛けていた様で、ざっと十数件、履歴に残っている。
新一は呆れ返って深く溜息を吐いた。執拗な干渉と保護心は、正直な所結構困る。
今度は別の意味での疲労に襲われた。
しかもそろそろ昼休みの時間帯だった。
時計の針が授業終了時に丁度重なったその瞬間、まるで計ったかの様に携帯からメロディーが流れ出し、一度深呼吸をして逆立った気を沈めてから通話のボタンを押す。
「もしもし」
「もしもし、新一?今何時だと思ってるのよー!」
予想通りの蘭の言葉に思わず苦笑が漏れる。

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