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王国
官能リレー小説 - 同性愛♂

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王国 9

それが良い事なのか悪い事なのかは分からない。
未だに花の目的を理解していないクリントは必死の抵抗を続けている。
未だに周りで絞り取られている男達には目が行かないようだ。気付いたにしても守りきれるかは微妙な所だが。
それとほぼ同時刻、ヤイル国王の病気はまたぶり返しつつあった。王子の異変に反応したかのようだった。
ヤイル国王は部屋に居たメイド達に即刻退室を命じた。病気の王を一人にする行為にメイドらは戸惑ったが、結局王の必死さに折れる形となった。
メイド達はただ部屋から出されただけでなく、国王の居る最上階に続く階段にすら行かれなくなってしまった。
いくらなんでも念が入りすぎだが、国王が患っているのは治療法の無い得体の知れない病気なので誰も疑問に思わなかった。
誰も居なくなった部屋、国王は金糸で装飾された青いマントを床に脱ぎ棄てていた。
それだけではない。身に着けていた物を次々と脱いでいく。確かに人払いをさせる必要のある行動だった。
「こりゃ、確かに不治の病だな…」
ついに全裸にまでなった国王は呟く。
年の割には筋肉質な白い肉体。そこに蔦のような物がしっかりと張り付いている。
全身にまとわりつくそれは卑猥な拘束具のようにも見えた。
「やはり、異変が起きているというのか…」
国王は不快そうな口調でつぶやいた。
肉体に絡みつく緑色の線が動き出す。
「これでは公の場に出る事も出来んな。そのうち人前で伸び始めるかも知れんぞ」
そんな事を呟いている間にも体に絡みついた蔓はどんどん膨れ上がっているようだった。
膨れ上がった一部は巨大な赤い花を形成し、華麗に咲き誇る。美しいが妖しい、そんな花だった。
王はその花の下に縛られている…。

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