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デーモン シード
官能リレー小説 - 同性愛♂

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デーモン シード 4

「何をブツブツ言ってるんだ?君に与えられた任務は重大だぞ。施設のセキュリティシステムにはアクセス出来るだろう?」
「既に掌握してます。あんな草の化け物に建物が占拠されて、なおもセキュリティが生きてたのはラッキーでした」
「仕事が早いな。そいつを通じて俺達を支援してくれ。頼りにしてるぞ」
「そりゃあ…光栄で身が引き締まる思いっすね…」

かくして日米両軍の上陸部隊が組織され、双方の作戦行動を開始した。


日本部隊はホバークラフト型の揚陸艇に一個小隊が乗り込み、島の南側海岸からの上陸を試みた。そこはちょうど浜辺になっている。
一方、米軍部隊は垂直離着陸型の兵員輸送機で島の中央部…研究施設のあった地点(かなり巨大な建物だったにも関わらず、今やすっかり植物に覆い尽くされている)に、同じく一個小隊がパラシュート降下した。
双方、敵の詳細な戦力も解らない状況下、かなりの無鉄砲と言わざるを得ない。彼らはタカをくくっていた。しょせん相手は植物だろう…と。

その甘い考えはすぐに覆される事となる。
「しょ…小隊長!あれを見てください!」
「…うむ!」
浜に近付いていく揚陸艇の上、日本部隊の女性士官、水島 紗希(みずしま さき)少尉は前方の上空を指差して叫んだ。

その先には信じられない光景が繰り広げられていた。パラシュート降下中の米軍の兵士達に植物の蔦が伸びて襲いかかっているのだ。まるで食虫植物が飛んでいる虫を捕えるかの如く兵士達の身体に絡み付き、木々の生い茂る地上へと引きずり落としていく。
揚陸艇から呆然とその様子を見ていた日本部隊の隊長、矢野 俊明(やの としあき)中尉は兵士達に向き直って言った。
「お前ら、これはひょっとして覚悟を決めた方が良いかも知れんぞ…」
その言葉に、それまでどことなく浮かれていた隊員達の表情が一斉に険しくなる…。

「Shit!!離しなさいよ!このセクハラ草!」
米軍部隊の女性兵士キャサリン・アーネット一等兵はパラシュート降下中、自身の右足に絡み付いた蔦を振り解こうと必死に暴れていた。蔦はグイグイと彼女の身体を引っ張る。地上がグングン近くなる。このままでは密林の中に引き込まれてしまう。そうなったら終わりだ。…いや、確信は無いが何となくそんな気がした。
「この…っ!」
キャサリンは自動小銃を連射にして蔦に向けて引き金を引いた。

ダダダダダダダ…ッ!!

無数の銃弾の前に蔦は呆気なく断ち切られた…かに思えたのだが…
「う…嘘でしょう…!?」
キャサリンは目を疑った。蔦の弾痕が見る間に再生していくのだ。
他の兵士達も同じ事態に直面していた。銃が効かない。これは全ての人間にとって予想外だった。
キャサリンは咄嗟に銃剣を取り出して足元の蔦に突き立てた。それでようやく大根ぐらいもある太さの蔦を切り落としたのだった。

だが忘れてはいけない。島1つを飲み込むほどの繁殖力と再生能力を兼ね備えた生物兵器なのだ。
キャサリンがツタを切り落としたその背後から別のツタが迫り、彼女のノドに絡みついた。

「ひぐッ!?が、ああッ!?」
「アーネット一等兵!?」

先ほどのように切り落としたいところだが、巻きつくツタは彼女を締め落とさんばかりにギリギリと締め付ける。
仲間たちも助けてやりたいが、それをさせじと別のツタが邪魔をする。
ナイフで切り落とそうにも防護服を傷つけられないから簡単には切り裂けない。

「クソッ!このクサレ植物どもっ!!」
「待ってろ、キャサリン、今助けて・・・!?」

―――やることはできなかった。もたついている間にキャサリンの身体に次々とツルやツタが巻きつき、次の瞬間にはあっという間に森の中へ引きずり込んでしまったのだ。
助けられなかった。しかしすでに事態は落ち込んでいられないほど悪化していた。
次の獲物を求め、再びツタが侵入者たちに襲い始めたのだ。

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