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デーモン シード
官能リレー小説 - 同性愛♂

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デーモン シード 16

まず国務長官が口火を切った。
確認するように問いただす。

「救出後、デーモン・シードとやらは必ず処分するのでしょうな?」
「当然だ。可能な限り救い出した後、水爆で焼き潰すよりあるまい……ヤナギエダのいう事が正しかったのだ」
「島外に出してしまえばもっと大変な事になりますし、そうしていただくより仕方ありませんな……ですが、これでは合衆国はとんでもない外交的負債を背負い込みますぞ」

苦衷を感じさせる声で、大統領が答えると、国務長官もどこか呆れたような声で言った。
不始末の後処理とは言え、核使用しなくてはならない状況に、この後の外交面の処理の大変さを思い、国務長官も自然と暗い顔になる。
するとほかの閣僚たちも、あれこれ議論を始める。

「しかし、本当に救出できるのか?失敗した場合、救出部隊もろとも焼くよりなくなるぞ。より多くの犠牲者を出すくらいならいっそ、我々の手で今すぐ核攻撃したほうがまだ『責任を取った』と対外的には強弁できるのではないのか」
「そんな無茶な。救出すべきです。見捨てれば、米日同盟の存続も危うくなり、救出努力もせず幕引きを急いだと、我が国は全世界から非難されます。
この機に乗じチャイナが何をやりだすかわかりません。日本のみならず西太平洋の資本主義国をすべて失う結果にもなりかねませんぞ」
「子供たちを救出せずに核を使えば、世界中のテロ組織への威圧にはなりましょうが…同盟国をいくつ失うか、わかりません」
「救えなければ、大統領閣下を筆頭にここにいる全員が辞職だな。いや、辞職で済まず、この件で捜査の手が伸びてくるかもしれん……合衆国自身でここにいる全員を裁きにかけて厳罰に処さないと、同盟国をはじめ諸国を納得させられないかもしれんな」

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