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デーモン シード
官能リレー小説 - 同性愛♂

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デーモン シード 17

「捜査の事は後で考えればいいわ。今はとにかく子供たちを救うほうが先よ。そうでなければ私達全員が責任を取るだけでは済まなくなる。わかるでしょ?」
「倫理的な事だけではない。国際的信用を我が国は失ってしまう」

救出できるのかどうかを軍に問う者や、救出した場合と諦めた場合の利害得失を論じたり、外交面の対応をどうするのかなど、様々な議論が飛び交う。
大統領も閣僚も、前大統領や元大統領ら、この計画を進めていた面々に内心で毒づきながら彼らの議論を聞いていた。
さらに一時間近くが過ぎ、結局救出の努力は最後まで続けざるを得ないという結論になった。

「では、救出作戦の説明をさせていただきます」

統合参謀本部議長は控えていた参謀たちに視線を向ける。
そして、具体的な救出作戦の説明が始まった。





「何とか救出できる見込みはあるのだな。だが、彼女達には……」
「彼女達も軍人です。祖国の為に身命を捧げる覚悟はあります。しかし…このような作戦を命じなくてはならないとは……」
「責任を負うべきは私だよ。君は気に病むより作戦を成功させてくれ」
「はっ…ありがとうございます」

説明を聞き終えた大統領は、冷静を取り戻したが沈痛な面持ちでいる。
統合参謀本部議長は緊張し、沈痛な表情のままだ。
二人とも、まともな人間性を持った男性であり、こんな苦渋の作戦を命じるのは男としての矜持と良心が激しく痛む。
そして、閣僚や軍人、補佐官などにも女性はいる。
この場にいる女性達の何人かが、大統領と統合参謀本部議長に、刺すような冷たい視線を向けていた。





緑に覆われた島を、アメリカ海軍艦隊と海上自衛隊の艦隊が遠巻きに監視を続けている。
そのアメリカ艦隊に、ヘリコプターが次々に着艦してきた。
強襲揚陸艦に着艦したヘリコプターから降りてくるのは、ほとんどが女性だった。

「マジかよ。特殊部隊使うとは思ってたけど、女ばかりってどういうことだ?」
「さあな。お偉方の事情だろ」

詳細を知らされていない艦隊乗員は、訝しみつつもヘリコプターと特殊部隊員の受け入れ作業を行っていた。
装備を手に、彼女たちは女性の指揮官に引率され、艦内のブリーフィングルームへ行った。

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