PiPi's World 投稿小説

デーモン シード
官能リレー小説 - 同性愛♂

の最初へ
 10
 12
の最後へ

デーモン シード 12

国務長官の連れてきた部下達が、各国の担当者を映し出した端末数台を並べる。

「これでは、コリアに核武装の大義名分を今度こそ与えてしまいます!早急に対策しませんと、東アジア情勢は取り返しのつかないことになりますぞ!」
「言われずともわかっている。全閣僚に緊急招集をかけたまえ!」
「はっ!」

大統領と国務長官のやり取りを聞いていた大統領秘書官は、すぐに閣僚たちへ招集の連絡を発した。

それから一時間が経過した。
「それで、何でこんなことになったんだ?」
「わかりませんよ…」
「とにかく、何とかして止めないと」
「しかし、我々が何を言っても聞く耳持たないでしょうね」
「ああ、そうだな。彼らにとってみれば、我々の言い訳など何の意味も無いだろう」
会議室に集まった閣僚たちは皆一様に渋い表情をしていた。

当然だろう。閣僚が集められた時、各国首脳とのオンライン会議はまだ続いていた。
そこで彼らは各国首脳からの非難をひとしきり聞かされ、また問い詰められたのだ。

「納得いくように説明をしていただきたいですな。何を血迷ってこんなことになっているのか?デーモン・シードなど聞いてもいませんぞ」
「何故ここまで危険な生物を生みだしたのです?繁殖させる前の遺伝子解析で、危険度の高さは判定できるはず。どうしてこんな化け物を生みだしたのか?納得いく説明をいただかないと、こちらとしても相応の対応を取らざるを得ませんぞ」

ドイツ首相とフランス大統領が、画面の中で相次いで問い詰めてくる。
ドイツ首相は「全く度し難い」といった顔で半分呆れた様子も見せているが、激怒しているのはほかの首脳と同じだった。
そしてフランスの大統領は、精悍な顔にどこか思いつめたような表情を垣間見せている。
フランスも核保有国だ。国として覚悟さえ決めれば戦略原潜の核ミサイルで、島ごと焼き潰すくらいはできてしまう。

SNSでこの小説を紹介

同性愛♂の他のリレー小説

こちらから小説を探す