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牡馬の魔術
官能リレー小説 - 同性愛♂

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牡馬の魔術 1

儀式は失敗だった。暴走した魔力は触媒の石を破壊し、やぐらを倒壊させた。
それでも俺は無傷だった。その代わり俺の体は以前のものとは大きく変わっていた。
黒い馬と融合したような姿になっていたのだ。
筋肉質な黒い肉体に馬の頭部が乗っている、そんな姿だ。
おそらくは呪いによるものだろう…。しかし悪い事ばかりではない、馬の筋肉が備わったせいか人間の倍の身体能力が出せるようになっていた。
人間離れしたパワーが付いたのは良いが、これでは人前に出られないな…。
しかも強烈な爆風により、自分の装備は腰に布が巻き付いているだけとなっている。
国すらも知らない秘密の儀式だったので、周囲に誰も居ないのが幸いだった。この姿を見られたらどうなったか分からない。
この姿はどこからどう見ても伝説のモンスターにしか見えない。牛頭馬頭と呼ばれる妖怪に似ているかもしれない。

遠くの方から足音が響いてきた。轟音を聞いた人が軍の方に連絡をしたらしい。
当然戦いは回避したい、走って逃げるか洞窟に隠れるか判断に迷った。
とりあえずは彼等に見つからぬように注意深く歩く。
馬の筋力のおかげでかなり速く走れそうな気がしてくるが、無闇に人間離れをした能力を発揮するのは不味い。

数回危ない場面はあったが、どうにか洞窟にたどり着く事が出来た。
戦いを回避できた安堵感に俺は体の力が抜けた。
そんな時、体に巻き付いていたボロ布がずり落ちた。
「あっ…」
俺は思わず声をあげてしまう。
布の残骸の下から現れたのは今の黒い肉体と同じ色をした理想的な名器だったからだ。
形状自体は人間と代わりはなく、馬のように先端が広がっていたりはしない。
俺は化け物らしいグロテスクな男根になっていなかった事に安堵する、だが同時に別の思いも沸き上がってくる。
なんていやらしいんだ…。
自分の肉棒、いや筋肉質な肉体に俺は興奮しつつあった。
俺はナルシストではない、しかし今の肉体は素晴らしい芸術品のように思えた。
無意識のうちに鏡のようなものを探していた。しかし、こんなところにそんな物があるかどうか。

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