PiPi's World 投稿小説

プールの光景・同性愛版
官能リレー小説 - 同性愛♂

の最初へ
 -1
 1
の最後へ

プールの光景・同性愛版 1

屋内プールは騒がしかった。
黒い競パンを着用した男子学生らしき集団がプールサイドで準備運動のようなことをしているからだ。
彼等はふざけて騒いでいるわけではないが、やはり人が複数居たら例え黙っていてもなにかしらの音は出てしまう。
それが密閉された空間にエコーが掛かり、普段以上に大きな音となってしまうのは当然といえば当然だった。
それでもこの騒がしさは、普段聞く屋内プールの騒がしさとはどこか違った…
幾つもの小さな声が木霊し、それがガラス張りの壁面に反響しているのだ。
泳ぐ者は誰1人としていなかった。
プールに浸かる人々は皆、準備運動をする男子学生たちを見ながら、ヒソヒソと声を潜めながら話していた…
ヒソヒソ話をする者もやはり男子学生のような雰囲気がある。
ただ、水に浸かった彼等の顔はほんのりと赤く染まりどことなく「これから水泳」という感じはしない。
どこからどう見ても雲行きが怪しいのだが、プールサイドで体をほぐす男子学生は誰もそれに気づいていないようだ。
彼らはただ窮屈過ぎる競パンに戸惑いながら、それに気が取られていたのだ。
「参ったぜ…これって絶対サイズ間違えてるよな…」
脚を大きく開きアキレス腱を延ばしながら、男子学生の一人、木村朝輝は文句をこぼした…
確かに男子学生たちが着用している競泳用パンツは、誰から見ても小さかった。
彼らが身を屈める度に尻の割れ目が露出し、その度にプールの中からの視線がソコに集中していたのだ…
しかし木村朝輝を初め、男子学生たちはそんなこととは露程も感じてはいなかった。
それどころか、このプール内に女性がいずに、こんな恥ずかしい格好を異性に見られずに済んでよかったと、心底安堵していたのだ…

彼等の水着は布の面積自体も少ないせいでもはや紐ビキニのようになってしまっている。
その為、少しの衝撃で弾け飛びそうな危うさがある。もはや、アダルトグッズだ。
そんなきわどい姿で女子の前に出れば、かなり恥ずかしいどころか通報すらされかねない。
それを思うと、せめて女子が入って来る前に水の中に入ってしまいたかった。
水中であれば、よほど近くに来ない限り、この恥ずかしい競パン姿を見られることは無いと思えたからだ。
朝輝たちは普段より速度を上げ、引き締まった脚を腰幅 に開き、前後屈の姿勢を取る。
腰に手を宛てがい、上体を後ろに反らせると、競パンのモッコリとした膨らみが殊更に強調されて見えてしまっていることは…誰1人として自覚はしていなかった。

いったいどうしてこんなことになったのだろうか…。
準備体操をする彼等の周りをもやっとした空気が包み込んでいる。
新型水着のテストとは聞いている。しかし、サイズすらも合わない状態で着用してまともな結果が出るのだろうか?
「全く…こんなんだったら、穿いてないほうがマシじゃねーかぁ?…」
朝輝ははみ出る陰毛を気にしながら、文句を言う。
「仕方無いだろ…コレを穿くって条件でスポンサーになって貰ったんだからさ…、そうでなきゃ、うちみたいな弱小水泳部、何所の会社がスポンサーになってくれると思ってんだよ…」
朝輝を諭すのは、ここにいる男子学生を纏める、武藤陵介だ。
「でもよぉ陵介、いくらスポンサーの頼みだからって、こんなん穿いていいタイムなんて出る訳ないだろ!」
筋違いとは分かってはいたが、朝輝は陵介に向かい喰ってかかった。

陵介に食い込みまくった股間を見せつけるようにして怒りを露にする朝輝、その姿はますますプールの中の男達をかきたてる。
「俺に当たられても困るよ、きっと相手側がサイズを間違えたんだろうよ…」
陵介は冷静に返した。そのおかげで朝輝も落ち着けることができた、もしここで陵介が乱暴に言い返していたら事態は悪化していただろう。
そんな温厚な陵介だからこそ朝輝も好きなことが言え、それに甘えることが出来たのだ。
この弱小水泳部において、唯一大会記録を待つ朝輝と、それを影から支える陵介…陵介と朝輝はいいコンビだった。
今回のスポンサーだって、朝輝の為を思って陵介が必死になって探してきたのは、ここにいる部員たち誰もが分かっていることだった。
そんな陵介の朝輝に対する健気な姿を見ているだけに、部員たちはこんな競パンを穿かされても、文句1つ言わなかったのだ。

SNSでこの小説を紹介

同性愛♂の他のリレー小説

こちらから小説を探す