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君は僕だけのモノ
官能リレー小説 - 同性愛♂

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君は僕だけのモノ 5

俺は、ふと思った。今朝の痴漢を利用できないかと。
今朝の南川が痴漢されたことを知っているのは被害者の南川と加害者の俺だけだ。
痴漢されてイったことを脅せれば面白いことになるかも知れないだろうな。何かしら要求すれば言いなりになるかもしれないと思った。
南川は絶対言うことを聞くと踏んでいた。
俺はルーズリーフを小さく破って手書きで『今朝は気持ち良かったかい?』と書いて南川の席に行って誰も居ないのを確認してメモを南川のリュックに入れておいた。
五分後、南川が戻ってきた。南川はリュックに教材を入れようとしてメモに気付いたようだ。
メモを見て、すぐに顔を青ざめていた。


南川視点
今朝は何とも言い難い複雑な気分だった。俺は男にイカされたんだという事実があったからだ。
一時限目の講義には出れるような気分じゃなかった。大学には早めに来ていたが図書館でヒマつぶしをしていた。
自分の心を整理し気分を落ち着かせ二時限目の講義には出席した。
友人たちは心配してくれたが俺は咄嗟に嘘をついた。流石に電車で痴漢に遭ってイカされたなんて口が裂けても言えないさ・・・
講義も終わり俺はトイレに行った。そういえば色々なことがありすぎて行けなかったからだ。結構我慢していたからなのか沢山出た。
トイレから戻って今日は午後の講義に集中出来なさそうなので帰ることにした。今日起こったことを忘れるために家に帰って寝るためだ。
リュックに教科書入れようとしたらメモがあった。また告白の類か何かだと思って捨てようと思うが一応見ておいた。
ボールペンで小さく几帳面に書かれた文字が俺の目に飛び込んできた。
「えっ……………マジかよ?」と口に出していた。
俺は目を大きく見開き一瞬固まってしまう…
辺りを見回すが教室に誰一人として残っていなかった…
あんなとこ誰かに見られていただなんて、ヤバ過ぎる…
俺は青ざめながらメモを握り潰し、リュック片手に逃げるようにして教室を飛び出した。

バシッ!…
教室を出た所で勢いよく正面衝突してしまう…
「あっ、ゴメン…」
俺は散乱したリュックの中身をかき集め前の男に謝った…
確か…相馬一樹…クラスでも目立たない、根暗な奴だった。
「『今朝は気持ちよかったかい?』…」
相馬一樹はくちゃくちゃになったメモを広げながら声に出して読み上げた…
「うぉい!!…勝手に読むなよ!…」
俺は慌ててメモを取り返そうと相馬一樹に向かい手を伸ばした。

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