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迷路の黒い獣
官能リレー小説 - 同性愛♂

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迷路の黒い獣 1

冒険者フェリクスは意識朦朧になりながらも、状況を整理していた。
どうやら自分は見知らぬ場所にあおむけになっているらしい。そこは熱くも寒くも無く、薄暗い。
天井に小さな明かりが点々とあるのはなんとなくわかる。
やっと意識がはっきりしてくる。ゆっくり目を開けてみる。
黒い。
それがフェリクスの初めての感想だった。
その黒さは無機質な闇とは違うように思えた。逞しく、熱を持った黒…。
どこかで感じ得たようなその黒を、視覚では無く脳内で感じる。
不思議と恐ろしくは無かった。
それどころか懐かしさすら感じている自分がフェリクスは不思議だった…

それでもその黒の熱が近づく気配を感じると、フェリクスは身をよじった。
冷りとする感触を肌が感じ、自分が服を着ていないことに気づく…
まさか下は?…
慌てて下半身に手を伸ばそうとし、自分の手首が拘束されていることを知ることになった。

恐る恐る目を開けてみると、手首についている物が金色の鎖だと確認出来た。
そして、自分が全裸にされている事もわかった。
薄暗くわかるのはそれくらいだ。その闇の中になにかが壁のようになってうごめいている。
それを見て流石に恐ろしくなる。
反射的に身体を動かすが、脚首までもに鎖が着いていた。
フェリクスは手術台のような金属質のテーブルの上に、仰向けの姿勢で拘束されていたのだ。
しかも脚は膝を上げた状態で左右に大きく開かれ、腰はテーブルより僅かに浮いていた。
な、何なんだ?!…
これではまるで分娩室の妊婦みたいじゃないか?!
フェリクスは焦り、必死で身体を揺さ振った。

羞恥の感情が沸き上がり、部屋内を見渡す。
こんな恰好を強いられていては、秘孔が丸見えになっていることは嫌でも分かった。
男としてこんな姿は誰にも見られたくはない!…フェリクスがそう思うのは男として当然だった。
しかしまだ目が慣れることは無く、自分周辺にしか視界は通ることはなかった…
ただ黒の固まりが無気味に蠢くのを、本能で感じるだけだった。

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