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見知らぬ土俵
官能リレー小説 - 同性愛♂

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見知らぬ土俵 1

ほんのちょっと道を外れてみたつもりだった。
それなのに全く見知らぬ場所へと来てしまった。まるで誘いこまれたかのように。
神社のような建物に豪勢な作りの土俵、崖を削って作った様な休憩所…。
近所にこんな所があるとは思えない、記憶に無いしまず明らかに雰囲気がおかしい。どことなく、ファンタジー的な佇まいがある。
「こんな所で時間を潰しているわけにはいかないのに…」
思わず声が出る。
「隣の学校のアイツに差を付けられるじゃないか…」
楓野の鞄からは隣の学校のアイツこと蓬下の書いた挑戦状が飛び出していた。
随分古い手だが楓野は見事に挑発に乗っていた。色々と似た所があるのだろう。
楓野はとりあえず辺りを探る。
人の気配は無い。足跡だとかそういう人の痕跡が無い。
だが、そのわりには土俵はよく手入れされているように見える。そのせいで土俵の異質感が強い。
まるでたった今ここにぽんと置いたみたいな感じだ。
神社はというとこちらは妙に古びている。ただ、お供え物の柿は新鮮だった。

突然、楓野の頭にアイツの肉体が頭に浮かぶ。ムクムクと闘志が沸き上がりいてもたっても居られなくなる。
唐突な衝動に、楓野は完全に支配された。探索はすっかり忘れ去り、必死の形相で鞄に駆け寄る。中に褌があるからだ。
誰も居ない事を良い事に楓野は全裸になる。大柄だが、締まった肉体が外気に晒され湯気を発す。
巨根は闘志に完全に剥けている。先端からはわずかに雫も垂れているほどだ。
楓野は褌を締める。まるで荘厳な土俵が戦いを誘発しているかのようだった…。
挑戦状に書かれた日時は明日の夕方。
だが目の前に土俵すらある今、じっとしてはいられない。
「とりあえずはここで練習して明日に備えるか…」
そこそこ凝った空間に誰も居ないという事が楓野の心を更に大胆にする。
そこらにあった木でぶつかり稽古を始め、それから膝の曲げ伸ばしを始める。その動きには非凡な物がある。
奉納相撲をやるとしたら彼がお似合いだろう、そんな雰囲気すらある。
だからこそ、異変を呼び起こしたのかも知れない。
楓野の褌に細い蔦が絡んだ。柔らかくしなやかなものだった、それが白い紐に巻き付く。
練習の時にひっかけ絡んだのか、と楓野は気にも止めない。
適当に切って練習を再開しようとするが、切れない。

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