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スケイルス海での出来事
官能リレー小説 - 同性愛♂

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スケイルス海での出来事 2

海図の一部が黒くなっている。まるで穴のように。
現在地からかなり近い所だった。
敵なのかそれとも別の異変なのか。絶対に迂回すべきなのだが、レルツは黒い部分が気になりそこに突っ込みたい欲求にかられてしまう。
しかし、どうにかこらえた。だが、微動だにしないのはやはり少し気になる。
仮に黒い点を船として見た場合、行動が奇妙だ。もしかしたら犯罪者が海上でなにかを受け渡しているのかも知れない。
しかし、武器を積んでいるとはいえ単なる輸送船。先手を打てたとしても撃ち負ける可能性が高い。
ほおってはおけないのだが、どうしようもない。レルツは苦々しく思いながら、黒点から離れる針路を維持。
ふっと黒点が動いた。フラフラした動きでこの船を追ってくる。
奇妙な動きだった。航行不能な状態にあるのだろうか?
レルツはまたも気になり始めた。
幸い相手はかなり遅い、このまま逃げ切れるだろう。
しかし、相手がまともな速度すらも出せない状態にあるのであれば急行すべきだ。
逃げるべきか、救助に行くか。
レルツだけでは決められそうにない。甲板の兵士達に意見を求めにいく。
兵士達、と言ってもそれぞれの船に見張りが2人ずつ乗っているだけだ。
前後の船に指揮官は居ないので兵士は7人だけ、という事になる。
例え全員死んでも損失のうちには入らないだろう。
レルツは見張りをしていた2人に声をかける。
「後ろから妙な物が追ってきているのだが判断に困る。ちょっときてくれないか」
兵士達は2人とも指令室に降りて行く。
どちらかを見はりで残しておくべきだと考えたが、人数が少なすぎて相談にならないので仕方がない。
3人にはなったが、やはり結論は出なかった。
「なんだろう」「どうしよう」という言葉を出す人が増えただけだ。
誰もがまともな航海士じゃないのだから当然である。
結局、追いかけてくる相手が目視出来るギリギリまで速度を落とすということでまとまった。

こうして速度を落としていると見張りの兵が顔色を変えて飛び込んできた。

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