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スケイルス海での出来事
官能リレー小説 - 同性愛♂

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スケイルス海での出来事 1

ファーメリアとボンダールがスケイルス海を挟んで冷戦状態となってから5年が経過した。
緊迫状態が続くなか、ファーメリアの兵士であるレルツはある任務を命じられた。
「アイ島に補給物資を届けよ」というものだ。
かなりきついものではあったが、重大な任務ではなかった。
アイ島は既に見捨てられたも同然で、補給物資を運び込んだところで有効に活用出来るとは思えない。
自給自足もある程度は出来ているので、食料品もあまり求められてはいない。
とにかく誰が見ても必要の無い、理不尽な命令だった。

上層部が適当に考えた作戦に運悪く巻き込まれてしまったレルツは輸送船団の総司令室に居た。
輸送船団は3隻、レルツの居る船の前後を一回り小さな補給船が挟んでいる。
武装はほぼ無いといってもよかった、単なる補給船にすぎないからだ。自衛用に武器を積んではいるが…。


精神的に疲弊したレルツはとりあえず動力室に降りた。
中枢部には補助動力である魔石が怪しげな光を放っていた。
しかし、レルツはそれには目もくれず「主動力」を見る。
褌だけを身に付けた逞しい男達がオールで力一杯こいでいる。
この船は手動なのだ。いわゆるガレー船と呼ばれるタイプだ。
しかし、ただの手漕ぎとは比べ物にならない。
魔石と呼ばれるものが使用されるようになってからかなり効率が良くなっているのだ。
魔石のアシストにより人員は従来の3分の1で済むようになり、漕いだ時の速度も倍近くになった。
これにより、物資を大量に搭載する事が可能になった。

しかし、人に漕がせてまで急ぐ用件ではない。
運搬するだけならただの帆船で良かった。それなのに速度の出るガレー船タイプの輸送船にやらせているから話がおかしい。
これを立案した奴は何を考えているのだろうか。あまりにも不自然すぎて別の目的があるような気がしなくもない。

それにしても筋肉を大波のようにうねらせてオールを漕ぐ男達というのは良い…。
レルツは自然と屈強な肉体に目を奪われていた。
本人はそんなつもりは無いのだが、まさに視姦である。
舐めるように一通り男の肉体美を見たレルツは総司令室に戻り、全艦に進路変更を命じた。
この船は武器を運搬しているので、停戦状態であろうと狙われる可能性が高い。しかも非武装だ。
護衛くらい付ければいいのだが、それは「戦闘でもやろうものなら相手側が動く引き金になる」から駄目らしい。
だからこそ、少しでも不審な点があれば進路を変えなくてはならない。

なんで単なる兵士の1人がここまでしなくてはならないのか、進路指示をしつつレルツは苦々しく思う。
兵士とはいえ素人に的確な指示が出せる筈がない。
実験台や捨て駒にされているのだろうか。
目的が分からないので、どこに怒りをぶつけて良いのか分からない。
その時、発光石により壁に投影された海図の一点が妙な反応を見せた。

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