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霧に包まれたコロシアム
官能リレー小説 - 同性愛♂

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霧に包まれたコロシアム 2

観客席には誰の姿も無かった。人が居た痕跡すらも無い。
廃墟になってずいぶんたつような、そんな寂しさが客席に居座っていた。

石の戦士が現れたのは、すぐだった。
彼は自己紹介すらもせずに突如アドルウスに斬りかかる。
先程見たのと同じ、単調で芸が無い攻撃。かわすのは簡単だった。
作り物だからか動きも少し遅い。それが更にアドルウスをがっかりさせた。
攻撃をひらりひらりとかわしながら相手の肉体を観察する。
人間に灰色の絵の具を塗ったような質感だった、格好もアドルウスと大差なかった。
大ぶりの攻撃をかわして接近戦に持ち込む。そのついでに体にも触れてみる。
異様に冷たい、だが人間の様に柔軟ですべすべしている。同じように灰色をした装備の部分はどうなのだろうか?そんな疑問が新たに生まれた。
剣は触るわけにはいかない。いくら相手が緩慢とはいえ危険すぎた。
とりあえずは胸当てを触ってみた。硬い。金属なのか石なのか判断は出来ない。
少なくとも防具として役にはたっているらしい。
じっくり調べれば分かるのかもしれないが、相手は石の剣を振り回してくるのだから無理だろう。
彼から胸当てをひっぺがし、距離をとってみるか?
アドルウスは周囲を確認した。
コロシアムの出入り口は塞がれていた。その左右には衛兵のような石像が立っている。
彼等も動くのだろう。先程敗北した者を連れ去ったのも彼等らしかった。
この戦場には出入り口に居る槍を持ったタイプが6体、今戦っている剣を持ったタイプが1体居るという事になる。
今は1対1だが下手に動きまわれば、槍を持った者も攻撃してくるに違いない。先程外に連れ去られた男を追ってはみたいが…。
相手は石像だが決闘を望んでいる。とにかく目の前に居るのを倒さねば、探索は出来ないだろう。
連れ去られた先客を追うのは諦めて、戦闘に集中する。
相手の動きは鈍いが防御力は人間とは比べ物にならない。しかし、アドルウスは的確に立ち回り回避を続ける。
そして、強烈な斬撃を加えた。石像のアーマーが破壊され、胸板が露になった。
なにか種のようなものがはまっている以外は人と変わらなかった。
その種の部分が弱点のような気がした。根拠は無い。直感だ。
「悪く思うな・・・!」
アドルウスは種に向かって剣を突いた。
 ピシッ・・・ピシリッ・・・
種は割れ、そこを中心に胸板にヒビが入っていく。そして石の戦士はガラガラと音を立てて崩れた。
「勝ったのか・・・!?」
次の瞬間、アドルウスは目を見張る。石の中から生身の人間が姿を現したのだ。それも一糸まとわぬ若く美しい娘である。
「ゴク・・・。」
アドルウスは思わず喉を鳴らす。彼も若く健康な男だ。陰茎がグググ・・・っと隆起していく。
男を惑わす碧い瞳と美しく整った容貌、長い豊かな金髪、見ているだけで劣情をもよおさせる淫らな肉付きの身体・・・彼の目の前に姿を現したのは正に極上の美女と言って良かった。
「お前は・・・何者なんだ?」
アドルウスは娘に尋ねるが、彼女はその問い掛けに答える事なく、ただ妖艶な微笑みを浮かべたままアドルウスに身体をすり寄せて来た。豊満な乳房が胸板に押し当てられる。娘はアドルウスの鎧を脱がしていく。

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