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ストーユ大陸
官能リレー小説 - 同性愛♂

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ストーユ大陸 2

恐る恐る手を伸ばして触れた瞬間、まるで脳を直接揺さぶられるような感覚に襲われて思わずよろけてしまう。
だがどうにか踏ん張って体勢を立て直すと、今度は先程とは打って変わって身体の奥底から力が溢れてくるような錯覚を覚えた。
(こいつ、まさか本当に呪いなんかかけられてないだろうな)
一瞬不安になるが、すぐに首を振って考えを振り払う。
今はとにかくこれを持ち帰ることが最優先事項なのだ。
一刻も早くギルドに戻り報告しなければ。
そして、この忌まわしい宝箱から離れようと踵を返したその時だった。
「よう兄ちゃん!あんたがあの有名な魔法剣士様かい?」
突然背後から声をかけられ振り返るとそこには、いかにも盗賊ですというような風貌の男達が立っていた。
人数は七人。全員が下卑た笑みを浮かべており、とても友好的には思えない様子だった。
「なんだお前ら?俺に何か用かよ」
面倒事に巻き込まれる前に早々に立ち去ろうと思っていた矢先の出来事に辟易しながらも、なんとか平静を装う。
「おいおい、つれないじゃねーか。折角ここまで追いかけてきたっていうのによぉ」
「あぁ?追いかけてきただと?」
怪しげな雰囲気に身構えながらも聞き返すと、男達は顔を見合わせて笑い始めた。
「ひゃっはっは!まあその様子じゃ何も知らねぇみたいだな!」
「ああ全くその通りだよ。だからさっさと要件を言え」
「へぇ…言うじゃねえか。なら教えてやるよ。おめえさんは騙されてんだよ、この聖杯を欲する奴等になァ!」
言い終わると同時にリーダー格らしき男が腰に差していた短刀を抜いて襲いかかってきた。
(チッ、いきなりかよ!)
咄嵯に剣を抜き応戦しようとするが、時すでに遅し。
リーダー格の男はヴェベルの間合いに難なく踏み込み短剣を突き出してきた。
その動きはとても盗賊とは思えないほど洗練されたものであり、おそらく何らかの武術を修めていることが窺えた。
ヴェベルは聖杯を盗賊達に奪われてはならないと思いつつ剣で弾き返そうとするが、予想以上に相手の動きが速く間に合わない。
ならばせめて急所だけは避けねばと、咄嵯に左胸を守るように腕を構える。
しかし、次の瞬間には何故かリーダー格の男の動きが止まっていた。
何が起きたのか理解できず呆然としていると、突如として凄まじい衝撃と共に視界が暗転した。
次に意識を取り戻した時には、ヴェベル達全員が地面に倒れ伏していた。全員素っ裸になっており、剣も聖杯もどこかに消えてしまっている。
一体何が起こったというのだ? 混乱する頭で必死になって記憶を辿ると、最後に覚えているのは聖杯から液体のような物が噴射する場面であった。

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