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海と少年
官能リレー小説 - 同性愛♂

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海と少年 3

その珊瑚は複雑な構造になっており、掴む所がいくつもある。少年は誘い込まれるように中心部へと突き進んでいってしまう。
絡み合った樹状のそれは入り込んだ少年の脱出を困難にした。進むことは簡単だが戻ることが難しくなっているのだ。
やがて赤珊瑚の中心へとたどり着いた少年はそこでようやく自分がどこにいるのかを理解した。
中心部分にはイソギンチャクの口に似た穴があり、そこにペニスがぴったりと収まるようになっている。
その中は無数の触手で埋め尽くされており、それぞれが意思を持っているかのように動き回っていた。
そこに少年のペニスがはめ込まれた時、少年はこれまでに感じたことのないような感覚に襲われた。
「ひぃっ!なにこれっ…凄いよぉ…」
少年の身体中に電流が流れたかのような衝撃が走る。あまりの気持ち良さに一瞬意識を失いかけるほどだった。
そして少年が気が付いた時にはもう遅かった。
木のように広がっていた珊瑚が閉じていき、中の少年を包み隠していく。
それは少年が昔漫画で見た、巨大ロボットの変形シーンのようであった。
ガシャンガシャンという音を立てながら少年は珊瑚の中に完全に収納されてしまい、その姿は外からは全く見えなくなってしまった。それだけでなく、内部からは少年の声も聞こえなくなっていた。代わりに聞こえるのは珊瑚のこすれ合う音だけだ。
「おーおー、入ったみたいだな。こいつは大当たりだ」
その様子を水妖は遠くから見ていた。
そして少年が入って行った珊瑚の側まで近づいていき、じっくりと観察する。
まるで赤い宝石が埋め込まれたオブジェのようであり、その表面はテラテラと光っている。少年の持つ火の魔力を象徴するかのようだ。
その内部で少年は大の字に手足を広げ、珊瑚から放出される火の魔力を全身で受け止めていた。
覚醒、成長、進化…それらの言葉が相応しいほどに少年は変化を遂げていく。
髪の色は赤みを増し、瞳も真紅に染まる。
肌の色も浅黒く変色し、体格も全体的に引き締まったものになった。
こうして少年は火属性の力を増幅させ、更には炎の魔人(イフリート)へと変貌を遂げたのだった。

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