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海と少年
官能リレー小説 - 同性愛♂

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海と少年 1

夏。
照りつける太陽、やかましく鳴くセミの声。
そんな中でも子供たちは元気にはしゃいでいる。

ここはある海水浴場。
これだけ暑いので、毎回大盛況。
一瞬だけでも暑さを忘れようというのか、子供たちがやってきている。

その中、波打ち際にぽつんと少年が立っていた。
「どうした?きみは泳がないのか?」
その少年に別の少年が話しかけた。
「僕、泳げないんだ。」
「だったら、俺が泳ぎ方を教えてやろうか?俺、泳ぐの得意なんだ。お前も練習すればすぐ泳げるようになるぞ。」
「へー。それで、お兄さん、だれ?」

その少年はなにも答えなかった。それどころか更に深く人の居ない場所へと誘うような動きをした。
「そっちは深くて危ないよ」
「俺が付いているから安全だ。こっちに来てみなよ」
足が付くどころか底すらも見えない場所に連れていこうとしているので少年はだんだん恐ろしくなってきた。
そうこうしているうちに遠くで遊んでいた人が一人また一人と減っていく。彼等はなぜか逃げるように帰っていくのだ。
少年に話しかけられてからまだ10分もたっていないというのに…。
「何かあったのかな?皆帰っていく」
「さあな…それより一緒に行こうぜ。もっと深い所まで連れていってやるから」
「うん…」
そして少年はとうとう海の中に潜っていってしまう。
海底にはまるで別世界のように光輝くサンゴ礁が広がっていた。
少年は思わず見惚れてしまった。海が苦手だった事など忘れてしまう程に美しい光景であった。

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