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魔術師見習い
官能リレー小説 - 同性愛♂

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魔術師見習い 5

「それってコレのことかな?」
そう言ってローゼルドラーは右手を前に突き出し、掌を開いた。そこには淡い黒色をした砂らしきものが乗っていた。
「見ただけではわからないな、早速調べてみるとしよう」そう言ってマルコスはクリスタルを取り出し、かざした。
するとクリスタルが反応して、目的としていた砂であることを告げた。
これでやっと帰れると思うと、自然と笑みが出てくる。
目的は達成したが、疑問が残った。この狼男は本当にローゼルドラーなのかと。マルコスは聞いてみる事にした。もし、本人なら失礼なことかもしれないと思いながらも好奇心の方が強かった。
「一つ聞きたいことがあるのだが、良いか?」
「構わないぜ」
「あんたは本当にあのローゼルドラー様なのか?」
マルコスが尋ねると、ローゼルドラーは少し困ったような表情をしてこう言った。
「う〜ん、そうだな、お前は信じるかい?」
質問に質問で返され、マルコスは返答できなかった。今目の前に居る狼男は銅像の姿とは違いすぎる。マルコスは正直に答えた。
「信じられないな」
その言葉を聞いたローゼルドラーは苦笑いを浮かべる。
「まぁ無理もないな」
その態度でマルコスは察した。どうも、目の前の狼男には何か秘密がある。それを知られたくないのだなと感じたマルコスはそれ以上聞くことはしなかった。
だが、彼は少し気になることを言った。
「いずれお前もこうなる日が来るのかもな」
「どういうことだ?」
「お前も年を取ればわかるさ」
その言葉に何か含みを感じたが、マルコスはその言葉の意味を聞くことは無かった。
彼はそのまま帰ろうかと思った。ここに長居する理由は無いからだ。
「それじゃあ、オレは行くよ」
そう言って踵を返した時、後ろから抱き寄せられる。
「待ってくれ」
その声は切実な感じがした。マルコスは立ち止まりローゼルドラーの動きに任せた。
彼はマルコスを抱き寄せると、自分の股間を押し当てて囁く。
「オレの頼みを聞いてくれるか?」
その言葉でマルコスの胸の奥が疼いた。
姿が変わっているとはいえ伝説の人物からのお願い。その響きが心地よく思えた。


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