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魔術師見習い
官能リレー小説 - 同性愛♂

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魔術師見習い 1

大都市ミドレトン最大の魔術学校シアー魔術学院は、宮廷魔術師の卵を育てる登竜門である。



その魔術学院に通う少年、マルコス・スタリオンは現在学院ではなく、西と北の狭間にある標高六千メートルを越えるダガーデルタ山の前に佇んでいた。

この山は、他の土地より魔獣や魔物が多く、足を踏み入れたら最後、無事に帰って来たものは少なく、そこから帰って来た者達さえも全員無傷ではなかった。ある意味魔界に一番近い場所であり、頭のおかしな狂人でなければあれば誰も近付こうとは思わないだろう。

何故学生であるマルコスがここにいるかというと、その話しは三日前に遡る。
「今から貴方は魔術師の卵に使う砂を採集してきなさい」
少年はその言葉が理解できなかった。魔界に近いとまで言われる場所に行けというのだ。
教師がダガーデルタの危険性を知らないわけもない。まともな発言とは思えなかった。
そもそも魔術師の卵というのは比喩表現のはずだ。まるで本当に物理的な卵があるかのように言い表すのも違和感があった。
しかし卵とやらは本当に実在していた。教室の中を巨大な白い卵が並んでいる不気味な光景を見せられると、砂とやらを取りに行くしかなくなってしまった。

「なんなんだよあれは…」
ダガーデルタの前でマルコスは同級生のデイビッドの事を心配した。あの卵を見せられてから姿を見かけなくなったからだ。
ダガーデルタには行きたくはない。
だが、教員によりあの変な卵にされてしまうよりかはマシだった。デイビッド達の事も心配だ。

マルコスは少しずつ登り始めた、いつでも引き返せるように。
わざわざ頂上まで行かなくても砂さえ見つけて戻ればいいのだ。
その砂はクリスタルを近づけると青く光るので識別は容易だった。
マルコスはそれらしい砂を見つける度にクリスタルを当てながらゆっくりと登っていく。
砂探しにに集中するあまり、迫ってくる者に対する反応が遅れてしまうことになるのだが…。

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