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魔術師見習い
官能リレー小説 - 同性愛♂

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魔術師見習い 2

「よお、何を探しているんだ?」
山賊らしい軽装の男達がニヤニヤしながら近づいてきた。
こんなところをそんな格好でうろつくとは…マルコスは彼等の危機意識の低さにゾッとした。彼等のせいで余計なことに巻き込まれてはたまったものではない、急いで駆け上がる。
山賊達の格好はとにかく非常識としか言いようがなかった。魔物が居るからだけではない、山を登るのにも不適切すぎた。
軽装の男達は次々に足を滑らせてはマルコスとの距離を広げていってしまう。
だが、運がいいのか誰一人目立った怪我はしていない。
「こいつらはどうしようもないな…、死ぬのも時間の問題だ」
マルコスは、時たま転倒しながらも懲りずに追いかけてくる男達に心底腹が立ってきていた。
無理矢理にこんな山に登らされただけでなく、無謀な山賊に追いかけまわされて更に上へと追いやられていく。どうしてこうも不幸なんだろうか?
しばらく見苦しい追跡劇は続いた。
山賊の方は引くに引けなくなっているらしい。どんどん上に追い詰められているとわかっていながらもマルコスを追うのに執着している。
「いい加減諦めて下山してくれよ…上に行ったって危ないだけだろう」
「俺にはお前の方が危なく見えるぞ」
 すぐ近くまで迫った山賊の一人が、マルコスの言葉にそう答えた。マルコスは、ふと前を見て戦慄した。彼は前進するのに一生懸命で周りがあまり見えていなかった。彼らの歩いている道は先程よりはるかに狭くなっており、ここでは彼が両腕を広げた幅もない。その道の両側は…底も見えない断崖…

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