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遭遇
官能リレー小説 - 同性愛♂

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遭遇 3

奥に行くとミノタウロスの集団と目があった。
増援かと思い、ウィリアムは構えた。人質にしているミノタウロスを壁にするようにしながら今度は出口を目指す。
しかし、彼等は追ってこない。それどころか動くことも出来ないようだった。
おかしいと思いよく見ると、彼等は洞窟の内壁に大の字に張り付けられているようだった。
「それでこのミノタウロスもおびえていたんだな…」
もしかしたらミノタウロス達を拘束した者の仲間とでも思われたのかも知れなかった。それならすぐ戦意を喪失した理由もわからなくはない。
彼はこの洞窟から逃げようとしていたのだ。
結果としてはミノタウロスの男を押し戻してしまったことになる。さっさと解放してやるべきか?
剣を下ろすとそのミノタウロスは外に飛び出して行った。
しかしすぐに野太い呻き声が聞こえ、そして何やら奇妙な甘い臭いがしてきた。
ウィリアムが足止めをしたせいでその哀れなミノタウロスは逃げきれなかったのだ。ミノタウロスの足元から膨れ上がった影のような黒い塊は彼を完全に包み、空中にX字に固定をする。
ミノタウロスを固定したそれはそのまま洞窟の奥へと移動を始めた。その動きは遅く、ウィリアムでも簡単に追い付けた。
「ブオオッ!」
奥へと引きずり込まれるのに恐怖したミノタウロスがウシ特有の悲鳴をあげた。その怯えた声を聞いたウィリアムは罪悪感で頭がいっぱいになった。
「待ってろ…今助ける」
ウィリアムは拘束されたミノタウロスの腰を掴んだ。

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