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禁断の術
官能リレー小説 - 同性愛♂

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禁断の術 2

「わかっているさ」
少年は舌舐めする……目の前に居る同年代を男色に落とせばこの先お家取り潰しが起こる可能性もあるが知った事ではない、自分は父親の顔を知らない……切腹してこの世から消えたのだ。母親も苦労して育て上げたが力尽いたが絶縁された父親の実家が引き取ったのは叔父夫婦に男子が居なかったのだ、家を存続させる為に自分を引き取った。最もその後男児が産まれたが叔父も何時でも仏様の元に赴く年齢になっている……だからこそ仕官の口を得るには武術を極めるしかない。だが幼少期にそのような教育を受けて無い彼にとっては致命的だった、苦悩している時に魔神と出合った。
彼は家庭環境のせいで様々な嫌なものを見てきた。
そのせいで重大な人間不信に陥っていた。当然である。
剣士であれば最低限使えるはずの法術すらもなぜか使えず、ますます他人との壁を感じ始めていた。
「自分は他人とは違うのかもな…」
武士社会とは人との繋がりを重視する、これが法術の才能を左右する……幼少期に放浪を経験した彼にとって致命的であるがこの様な状況に陥ったのも父の実家が不手際を起こしたからだ。彼はそう理解していた、この際汚れ役……即ち首落とし役(罪人を死罪執行する役目)や罪人寄場の警護と言った余り人前で言えないお役目でも願い出るしかない。今は従弟が成人するまで家を存続させるしかない、叔父もその方法しかなく老体を奮い起こして各方面に歩きまわっていると言う。
「それでよいのか?」
「!」
その男は不意に少年の眼の前に現れた、少年も気配ぐらいは察する事は出来る……が、鬼の如くの背丈と着物を着崩し自分の背丈程ある刀をつりざおを肩に載せる要領で持っていた。
「はっ、なにやつ!」
「魔神、とはいっても末席に居るがな」
魔神、それは戦国時代を齎した動乱の戦神である。
その獅子の男に嫌悪感は無かった。不気味ではあるが、どことなく美しいようにも見えたからだ。
化け物や魔物というよりは獅子の仮面を被った良い男というような感じで、飛び抜けた異常さは感じられない。ただ、全身にまとう妖気がおかしいだけで。
しかしその妖気もなぜか気にならなかった。
この魔神とはどこかで会っていたのかもしれない。全く思い出せないが。
「お前は…」
そこまで言って声は出なくなる。
獅子の魔神はその様子を見て、自分の姿を見て怯えて声も出せないでいるのかと勘違いをした。

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