Girls,be ambitious. 10
(青海川・・・?)
その自信無さ気な囁きは、今まで知りうる青海川とは思えず、翔祐は耳を疑った。
図体もデカク、容姿端麗、成績優秀故の自信に満ちた輝きは消えうせ、
今ここにいる青海川は、翔祐と何ら変わらない、ただの青臭い高校生だった。
しかも夢と違って、その手腕はぎこちなく、翔祐をリードする余裕など微塵も感じられなかった。
「イメージトレーニングはしてきたんだ・・でも、本番となると夢のようにはいかないもんだな・・」
青海川は恥じたように顔を赤らめ、照れながら言う。
翔祐を抱き締めていた腕の力も弱まり、合わせれれていた股間も自然と離れていく・・
(青海川・・・)
翔祐はその意外な青海川の姿に、ふっと暖かさを感じた。
そして身体の温もりが離れていくことに、何か寂しさを覚えた。
『青海川!』
翔祐は青海川を引き止めるように、その身体に抱きついた。
抱きついたままずるずると膝は崩れ、気がついた時には腰ベルトを握り、青海川の臀部を抱き締めていた。
当然のように頬に当たる青海川の興奮に、戸惑いはしたものの、素の青海川を見た今、翔祐は霧が晴れたように、今までの拒否反応は消えていた。
青海川の布を持ち上げる熱い昂りを感じながら、翔祐は心中で "ふっ"と笑った。
"押して駄目なら引いてみろ・・か"
そんな誰かに聞いたような台詞が、翔祐の脳裏に浮かんだ。
("確かに・・・")
あのまま青海川が押しの一手で迫ってきただけならば、自分は逃げ出すことしか考えていなかったと思えた。
しかし、青海川はたじろいだ・・
慣れない触手で、戸惑い・・・・同性同士の性器の重なりに、自分と同じように躊躇い・・それを止めようとした・・
それは夢の中の、慣れ過ぎている青海川とはあまりにも懸け離れてはいたが、それゆえに、青海川という男の存在が、怖くは無くなったのだ。
だから、男の股間に頬擦りするような、こんなにも大胆な行動も取れたのだ。
それは青海川とのあの夢を、どこかで自分は求めていたかもしれないと・・翔祐は思わないでもなかった。
一度火の着いた男の欲望は、普段は考えも着かないほどに大胆にさせることがある。。
それは大人と呼ばれる男であれば、誰でも経験し、時には後悔もしたりすることではある..
しかし翔祐も青海川もまだ、少年期から青年期に入ったばかりの、蒼過ぎる男だった。
翔祐はあの夢で見た行為に近づけるために、1歩を踏み出した。
ベルトを外すカチャカチャという金属音が、階段を掛け上がっていくようだった。そしてジッパーを下げる音がそれに続く・・
「やめ・・」
(止めよう・・)と言おうとした青海川の声は、翔祐の唇に塞がれる。
ストン・・と、ベルトの重みで制服のズボンが床に落ちる。
「うっ・・お、お・・い」
器用に動く翔祐の手は青海川のシャツの釦を1つずつ外していき、それすらも風に泳ぐように床に舞った。
唇を外した翔祐はグレーのボクサーパンツ1枚だけになった青海川の姿を幾歩か下がった所でまじまじと見つめ、
「夢でみた身体と一緒だ・・」と、呟くように言った。
「恥ずかしいよ。」
明らかに夢とは逆転した立場の青海川は、戸惑いながらそこを隠した。
昂った先端から溢れ出した先走りにより、グレーの生地はそだけを黒く変色させていたのだ。
「隠さないでいいよ。俺だって・・」
翔祐は自らの手でズボンを下ろし、それを足から抜き取った。
青海川は食い入るようその1点を見つめた。
小さすぎるローライズは、身体にぴったりと密着し、翔祐自身をクッキリと浮かび上がらせていた。
「ゴクッ・・・」
「俺だって、考えられない程に興奮してるだろ?」
「あ、ああ・・・」
翔祐の先端には染みだした先走りが丸あるい汁玉を造っていた。
青海川はそれを見ていい様もない感動に包まれた。
そして、自分の覆っていた手を、股間からそっとはずした。
ごくっ・・
俺の喉が自然と鳴った。
合わせてローライズの薄布を、自身がグッと持ち上げるのが分かった。
こんなに興奮したことは今までに無かった。
それは始めて精通を向かえた時よりも、始めてAVを観た時よりも勝っていると思えた。
「青海川・・・」
俺はグレーのボクサーパンツに向かい、手を伸ばす。
その手を青海川は拒むように振払った。
「翔祐、待ってくれ!」
「何だよ、今更怖気尽いたのかよ?」
「違うんだ・・お前にはちゃんと見てもらいたんだ・・」
「ちゃんとって?」
「俺のを・・」
そう言うなり、青海川は全身を赤く染め、ボクサーパンツの前立てを捲り下ろした。