Girls,be ambitious. 4
反射的に掴んでいた腕を払うように離し、
丁度立ち止まった先にあった生物資料室を見やる。
人気の無いのを確認し室内へ足を踏み入れた。
「こいよ。」
青海川は黙って後について来る。
狭い室内に暫く沈黙が続いた後、
おもむろにヤツが口を開いた。
「お前、ワケが分かんないって顔してるな。」
逸らした顔を上げたその先に、面白いモノを見るようなヤツの視線があった。
「ムカツいてんだ。」
唇の端を上げニヤっと笑う顔がまた、ムカツキを誘う。
「お前さ・・・」
「『お前』じゃない!」
思いっきり青海川のペースにはまってしまっているのも気に食わない。
「俺は『お前』じゃなくて、篠崎 翔祐(しのざき しょうすけ)だ!」
鼻息荒くデカイ声で言う。
「知ってる。」
「なら・・・」
「お前知ってるか。
どうしてお前と俺が同じ夢をみるか。」
「そんなん知らねぇよ。」
分かるわけがない。
「教えて欲しい?」
「あぁ。」
「ただじゃつまらないな。」