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恐怖の洞窟
官能リレー小説 - 時代物

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恐怖の洞窟 1

近畿地方の海沿いの村に伝わる話だ。

その村で漁師をしている小平太という色黒で逞しい肉体をした若者がいた。
小平太は漁師としての腕が良く、若くして自分の舟を持ち網を持ち、誰もが認める一人前の漁師であった。
小平太は海沿いに一軒の小さな家を構えて、気ままな一人暮らしをしていた。
ある日のこと、小平太がいつものように漁に出ていると遠くのほうから何やら太鼓を叩くような音が聞こえてきた。
それはだんだんと近づいてくるようだった。
小平太が目を凝らすと、海の遥か向こうから大きな黒い影が迫ってくるのが見えた。
「な、なんだあれは!?」
小平太は驚き、急いで陸へ上がろうとした。しかし時すでに遅く、太鼓の音と共に影はどんどん大きくなっていく。
そしてついにはその正体がはっきりと見えるまでになった。
それは巨大な船だったのだ。
それもただの大きな船ではない。櫓も帆もない鉄でできた船が海面に浮かんでいたのだ。
「うわあああっ!」
小平太はあまりの出来事に叫び声をあげた。
船はどんどん近づき、やがて目の前にまでやってきた。小平太は船の甲板の上に人が立っていることに気がついた。
それはなんとも奇妙な出で立ちの男達だった。
皆一様に腰に白い布のようなものを身につけているだけで、顔には獅子の顔をかたどった面を付けている。しかも筋肉隆々の大男ばかりである。
まるで異国の戦士のような格好だったので、小平太はその異様な風体に思わずたじろいだ。
すると突然、船上から一人の男が飛び降りてきて小平太の小船に飛び乗ってきた。男は着地するなり小平太を捕らえようと手を伸ばしてきたが、すんでのところでかわした。
「待ってくれ!俺はあんたらの敵じゃない!」
小平太は必死に訴えたが、男は聞く耳を持たず小平太を担ぎ上げてしまった。

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