「ふ、ふぁい…」
　春菜が再び奉仕を始めると、和馬はそれを邪魔するように指を動かし始めた。膣内で指を『く』の字型に曲げ、淫汁を外に掻き出すようにえぐる。
「んあっ！　はぁっ、はぁっ…」
　快感に春菜の腰がぐねぐねとうねり出した。
　ずぷぷっ！！
　にやりとした和馬は、今度は左手の親指で陰核を剥き出しながら、右手の人差し指を肛門に、親指を膣口に差し込んだ。はさみのように指を動かして直腸の壁と膣内の壁をぐりぐりと刺激する。
「ぁおおおおおおお―――っ！！」
　春菜が思わず獣のような叫び声を上げた。
「お願い、お兄様…春菜の中に入れて下さいまし」
「僕はこのまま寝ているから、自分で入れるんだ」
「ああ、そんな…っ。お兄様のいじわるっ！」
　ゆっくりと体勢を変え、春菜は和馬の陰茎の上に腰を下ろし始める。
「はああああんっ！」
　ぬぷぷぅ…っ。
　アソコが美味しそうに御珍棒をほおばっている。膣内に侵入してくる圧迫感に、春菜は身震いした。
　…ぐちゃっ！　ぐちょっ！　ぐちゃっ！
　そして腰が動くたび、粘着質ないやらしい音が響く。
「どうだ、気持ちいいか？　好きに動いていいんだぞ」
「は、はい…」
　春菜は陰核を刺激するように身体を前屈させたままぐりぐりと腰を押しつけ、左右に、前後に回し始める。
「ああんっ！　お兄様の御珍棒…っ！　大好きっ！！」
　腰の動きはだんだんと激しくなり、がつんがつんと恥骨と恥骨が激しくぶつかりあった。
「一体どうしたんだ、春菜？　急にいやらしくなって…」
「お兄様のいらっしゃらない間…。私、春本やべっこうの張形で一生懸命勉強しましたのよ…！」
「そうか。可愛い奴め」
　和馬も腰を持ち上げて、春菜の動きに合わせて下から突き上げてやる。
　ずん！　ずん！　ずんっ！
「当たる！　当たってるぅ〜！！」
　春菜は髪を振り乱して喘ぎ始めた。和馬は下からおっぱいを掴むと、もみくちゃにしてやった。
「いいっ！　気持ちいいのっ！　もっとっ！　もっと突いてっ！！」
　がつん！　がつん！
（これじゃ、まるで下町の御神輿みたいだな…）
　和馬は自分の身体の上で妖しく蠢く女体を見て、江戸に出てきて初めて見た、男衆が担ぐ荒々しい神輿を思い出した。
　肉棒に突き刺されたまま荒々しく担がれる淫らな女神輿は、ますます狂おしい叫び声を上げながら、いよいよ果てようとしていた。
「いくっ！　いくっ！　いくううっ！！」
「僕も…。で、出るっ！」
　どぴゅっ！　どぴゅっ！　どぴゅううっ！！
　春菜が絶頂を迎えるのと、和馬が放出するのがほぼ同時だった。
　春菜は、自分の胎内に広がってゆく熱い迸りを感じて幸福感に満たされていた。今までかなわぬ恋だとあきらめていた兄への恋心が突然の幸運でかなえられて、こうして一つになれたのだ。もう死んでもいい、と思うくらい幸福だった。

「・・・和馬・・・」
満足げに横たわる二人の女の姿を見て、もう一人の少女は悲しみに沈んでいた。
（ああ・・・二人とも和馬に抱いてもらえてとっても満足そうだ・・・良いな・・・私ももっと可愛くて素直な性格だったら、二人みたいに和馬に可愛がってもらえたんだろうか？）
愛する男性が他の女と性交をするのを、目の前で見せつけられた凛は、珍しく自分に自信を失っていた。
　そんな凛の沈んだ表情を、和馬が見逃すはずはなかった。
「凛…。こっちに来て、これの始末をしてくれないか？」
　裸のままどっかと胡坐をかいた和馬は、愛液にまみれた逸物を指して言った。
「は、はいっ。ただいま！」
　あわてて立ち上がった凛は、懐紙を取り出してがさがさと後始末を始める。慣れた手つきで逸物をきれいにしてゆく。
「ああ…疲れた。二人連続でこなすのはさすがに疲れるよ。一緒にちょっと休まないか？」
　和馬はそのまま後ろに倒れ込んだ。
「いえ、私は…このままでけっこうです…。きゃっ！！」
　凛はそう言って固辞したが、急に腕を引っぱられて引き倒されてしまった。飛び込んだ先は、和馬の胸の上。気がつくと、がっちりと抱きとめられていた。
「なぁ、凛…。僕はずっと以前からお前に憧れていたんだ。道場で一生懸命修業したのも、半分くらいはお前の傍にいたかったからだ」
「えっ…？！」
　突然の告白に、凛はびくっとした。
「秋吉田藩に立つ前にこっそり思いのたけを打ち明けようかと思っていたくらいで…。だけど、僕にはできなかった。だから、お前が僕の後を追ってきてくれて、本当に嬉しかった」