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明治一代助平男
官能リレー小説 - 時代物

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明治一代助平男 1

三百年続いた徳川幕府が倒れ、新しい時代が訪れた。しかし地方は依然として昔ながらの殿様が支配していた。ここはある小さな藩のお城。
「アァ〜ンッ!!!種成(たねなり)様のオチ○チンいいっ!!!!千代(ちよ)はまたイッてしまいますぅ〜!!!」
「いけいけ!好きなだけイッて俺の子を孕め!!」
「アアァァンッ!!!イグウゥーッ!!!!!」
女は快感にビクビクと体を震わせる。
「ふぅ…満足した」
激しい営みを終えた男女は乱れた布団の上で一息ついた。男の名は大山田種成。歳は十六。この大山田藩の藩主、大山田正成(まさなり)の嫡男である。
女の名は千代。家臣の娘で、種成とは幼なじみだ。二人は許嫁で、まだ祝言は上げていないが、既に“お床の仲”となっていた。
「千代、もう一回やるぞ」
「ハァ…ハァ…種成様ぁ…もう十回目ですよ?千代のオマ○コが壊れちゃいますぅ…」
「良いじゃないか、良いじゃないか!マ○コとチ○コがバカになるまでヤりまくろう!」
「もう!種成様ったら…」
そこへ…
「わ…若様ぁ〜!!一大事でございますぅ〜!!!」
血相を変えた老人が床の間に飛び込んで来た。大山田藩の家老である。
千代はキャッと言って慌てて布団で体を隠した。
「何だ爺や!?今俺達が何してるのか分からないのか!?」
「それどころではございません若様!お家の存亡に関わる一大事でございます!」
「何だ?」
「廃藩置県でございます!」
「パイパン…痴漢?」
「ボケてる場合ではありません!大山田藩が無くなるのですぞ」
「えぇっ!!何で!?」
「新政府の政策です。中央集権国家を作るために諸藩を潰し、代わりに県を置くそうで…」
「そんな…藩が無くなったら種成様はタダの助平男ですわ」
あまりの驚きに裸を隠すのも忘れた千代が呆然とつぶやく。

廃藩置県の事を聞いたときは驚いたが、幸いなことに旧藩主は、華族として新政府から爵位と俸給をもらえるらしい。
俺にとっては、藩主としての煩わしい義務から解放されるので、むしろラッキーだった。
自由になった俺は、親戚の薦めで新設された大学に通いながら。帝都の社交界で浮名を流すようになった。

その日も俺はとある貴族の屋敷で開かれた舞踏会にお呼ばれしていた。政府高官や他国の大使達も招かれたかなり大きな舞踏会だ。
…と言っても“西欧の猿真似”と揶揄されたあの鹿鳴館すらまだ無い時代、この頃の社交界など欧米人の目から見ればお笑いだろう。
集まった面々も軍服や燕尾服などより直垂(ひたたれ)や裃(かみしも)の方がしっくり来そうなヤツラばかりだ。
だいたい平面顔に短足胴長の日本人がいくら張り切って着飾った所で……いや、よそう。俺も“お笑い”の舞台を演出している役者の一人なんだから。
それに俺はここに集まった連中とは違って“ちゃんとした目的”が別にあるのだ…。
「やあ種成殿、ご機嫌よう」
「おお、これはこれは精麿(やすまろ)殿、ご機嫌よう」
そんな事を考えていると俺と同い年くらいの一人の青年が話し掛けて来た。俺達は形式通りの挨拶を済ませるとニヤリと笑い合い、周囲に聞こえないよう小声で話し合い始めた。
「ほっほっほ…種成よ、今宵もなかなか良い娘が揃っておるでおじゃるなぁ〜」
「精麿、お前その“おじゃる”ってのいい加減やめろよ。その内レディーの前でウッカリ出ちまうぞ?」

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