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ショタなペット【第三部】
官能リレー小説 - ショタ

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ショタなペット【第三部】 93

遂に結婚式当日となった。
ロビーでは既に軽くアペタイザーが振舞われている。
「ふふ、いよいよね。」
「はい。」
優花は微笑みながら和己に話し掛けるが、和己は言葉少なに返すだけであった。
「司会者の挨拶が終わったわ。そろそろ入場よ。」
♪♪♪♪〜……
メンデルスゾーンの『結婚行進曲』が流れる。
「それでは新郎新婦の入場です。」
司会の絵美の声がした。ヴァージンロードを付き添うべき父親が居ない優花であったが、それは省き、早速和己が優花に歩み寄る。
「ふふっ。」
優花は微笑を漏らし、差し出された和己の右手を握る。
「おめでとうございます。」
両脇から九条院のメイドや執事が花びらを降らせる。
「み…皆さん本日はご列席頂きありがとうございます。また、九条院家の皆様、ご協力に感謝いたします。」
和己はウェルカムスピーチを済ませる。
「では二人の馴れ初めについて、新婦のお母様、香奈様からお話いただきましょう。」
「はい。あの子が彼を家に連れてきたときは……」
香奈は出来るだけきれいな思い出だけを語る。
皆で出かけた事、和己と優花は当初から惹かれ合っていた事、和己が優花達をナンパ男から救った事……
続いては、主賓の祝辞だが、主賓は新婦側の絵美である。
「ここで僭越ながら、私、九条院絵美が祝辞を述べさせていただきます。」
一呼吸置き、絵美が話し始める。
「優花ちゃんは私の妹のような存在でした。優花ちゃんは気配り上手で……」
絵美が優花の素晴らしいエピソードの数々を語る。
そして、
「それから和己君、もし優花ちゃんを泣かせたら、どうなっても知らないわよ?必ず幸せにしてあげてね。」
と言う絵美。
「はい……必ず幸せにします。」
恐縮して応える和己。
会場はそのやり取りに笑いが漏れ、和やかな雰囲気になる。
「続いてはケーキ入刀です。」
プロフィール紹介は省き、祝辞も一人だけという変わったものであったが、ケーキ入刀には凝っていた。
「今日の日に当たりこんな素敵な生ケーキをご用意されました。こちらは後ほど皆様にもお召し上がり頂き、結婚の幸せを分かち合って……」
大きな拍手とカメラのフラッシュの中、ゆっくりとケーキそ切る和己と優花。
「ここで二人の前途を祝して乾杯をしたいと存じます。御発声は優花のお姉さまであられる百合宮風花様にお願い致します。皆様お手元のグラスをお取り頂き、ご起立願います。」
一斉に立ち上がる一同。しかし、実際にシャンパンを手にしているのは香奈だけであった。
「あれ?美雪ちゃんはジュースなの?」
「ええ。」
「そ、それでは二人の前途を祝して乾杯!」
「「「かんぱ〜い!!」」」

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