ショタなペット【第三部】 75
翌朝、優花が朝刊を取りに行く。
「あれ?これ……中学校から和己君宛?」
和己宛の郵便も百合宮家に届く様に学校には連絡済であったのだ。
「お早うございます。香奈さん、風花さん、優花さん。」
「あ、和己君、手紙が着てたわよ。」
優花が封筒を渡す。
「結構重いですね……。あ、夏休みの宿題です。……返信用封筒まで入ってる。」
和己はそれに一通り目を通した。
「さ、朝ごはんにしましょう。」
香奈はシリアルを持ってきた。
「最近暑いからこういうもの良いでしょ?」
コーンフレークだけでなくミューズリーやグラノーラも出ている。
「ミューズリーがあるとナッツやドライフルーツを切る手間が省けるわ。」
香奈はそう言いながらスライスバナナをテーブルに置く。
「風花どれにする?」
「チョコフレークとミューズリーにするわ。」
「優花は?」
「グラノーラとコーンフレーク混ぜようかしら?」
和己や美雪も数種類を混ぜ、牛乳をかける。
「ん、美味しい。」
和己は思わず呟いた。和己はそれまで滅多にシリアルを食べることはなかったのだ。
「あ、バナナとかレーズンとか入れたほうが美味しいわよ。」
風花が気を利かす。
「ありがとうございます。」
和己はそう言い、トッピングを入れる。
「シャク…うん。美味しい。」
和己がそう言うと
「ふふ、良かった。」
香奈は笑顔を見せた。
「そっか……和己にはあんまりこういうの朝食で食べさせなかったわね。」
美雪はそう呟いた。
「お義母様、各家庭で食文化には違いがありますから。」
優花は美雪にそう言う。
「そうね、ありがとう。」
朝食を終えた和己は早速夏休みの宿題に取り掛かった。元々まじめな性格の和己は、小学生時代から宿題はかなり早い段階で片づけていた。
「え〜と……数学がこれくらいで……英語が……」
まずは宿題を整理して3週間以内に終わらせる計画を立てた。
「さ、頑張るぞ。」
学校には暫く行っていないが、自室で勉強していたこともあり、かなりスラスラと宿題は進行していった。
「それにしても、快適だな……」
地下室ではあったが、百合宮家の屋根につけられたソーラー発電機と、液冷式ファンのおかげで、地下室ながらも、和己の部屋は夏でも快適な温度が保たれていた。
「夏休みの宿題って蝉の声を聞きながら汗流しながらやってばっかりだったな……。たまには図書館にも行ったけど。」
そんなことを言いながら和己は宿題を進めていった。