ショタなペット【第三部】 22
朝食はバイキングだ。
「たくさん食べないと。」
風花は朝からハッスルしている。無論優花と和己も消耗しているのでそれなりに食べる。
「あんまり一杯持ってこないで、少しずつお代わりにいくようにしなさいね。」
香奈はそう注意する。
「は〜い。」
そう言いながらもかなりの量を持って戻ってくる風花。
「ま、貴方は食べるからね。」
香奈もそう言い、それ以上言及しない。
「頂きます。」
和己はご飯に納豆と生卵をかけ食べ始めた。
「やっぱり和己君はご飯党なのね。」
優花はそう言って和己が食べるのを眺めていた。
コトン
「はい、和己君の分。」
風花が和己の前にハムステーキを差し出した。
「え…あの……」
「そのくらい食べないとダメよ。」
「お姉ちゃんっ!」
優花は風花にそう言うが
「優花、未来の『旦那様』がそんなに痩せていて良いと思うの?」
と言い返され優花も言葉を失う。
「……う……それは……」
「…風花さん……頂きます……」
和己はナイフとフォークを取って食べ始める。
「そうやってたくさん食べて元気になるのよ。ふふ。」
風花は満足そうに言った。
朝食を終えると和己たちは荷物を持ってテーマパーク入り口へ向かう。土曜日ということもあり、開場前にも関わらず、既に列が出来ていた。
「じゃあ作戦会議ね。」
香奈が切り出す。
「まず美雪ちゃんと風花はコインロッカーを確保。和己君と優花はファストパスを取る。その間に私はお化け屋敷の列に並んでおくから。」
香奈がそう言うと、
「何のファストパスを取るの?」
と優花が訊く。
「それは任せるわ。」
香奈は優花と和己の判断に任せることとした。
「間もなく開園です。事故防止のため押し合わずにご入園ください。」
係員が声を張り上げる。
ガラガラガラ………
門が開かれる。和己たちは既に購入していた入場券を見せてテーマパークに入る。
「風花ちゃん行くわよ。」
美雪と風花は駆け出す。
「私達も行かなくちゃ。」
優花は和己の手を引く。
「じゃあ先に並んでるから。」
香奈はお化け屋敷の列へ向かう。
パタパタパタパタ……
「はぁはぁ……まだ空いているわね……」
「そうですね……3個くらい確保しますか?」
「そうしましょう。」
お土産等を入れることも考えコインロッカーを多めに確保した。
「さて、戻りましょう。」
「はい。」
一方で和己と優花は体感シューティングアトラクションのファストパスを取って香奈のところへ向かった。
「ママ、ファストパス取れたわよ。」
「お姉さま、コインロッカー確保してきました。」