ショタなペット【第一部】 44
夜が明けた。
「そろそろ起きて。」
「……ん…おはようございます。」
和己が目を覚ますと優花は半身を起こし、
「ふふふ。出かけるから用意してね。」
と言った。
「はい。」
和己も起き上がったのを見ると、
「じゃあ5分くらいしたら来るわね。昨日言ったあの服に着替えて待っててね。」
優花はそう言い残し部屋を出た。
「さてと、僕も着替えなきゃ。」
優花が出て行き和己は優花が指定した服に着替える。
『優花さん、僕の事をどう思ってるのかな。昨夜、お姉ちゃんと呼んでとか、僕に何を求めているんだろう?
僕は優花さん好きだけど、ペットだし、あんなきれいな人じゃ、釣り合わないよ。』
着替えながら、和己は優花は自分に何を求めているのか、考えた。
しかし、ペットの立場を考えると自分は優花に相応しいと思えなかった。
「さ、出掛けるわよ。」
優花が和己の部屋に入り、香奈と風花は既に外で待っていた。
「今日は朝食から外でいただきましょう。」
香奈の言葉に
「はい?」
と和己は応えた。香奈は
「和己君はまだ頭が起きてないかしら?」
と笑った。
「じゃ、出して。」
風花の言葉にリムジンは発進した。
「和己君、そんなに硬くならなくて良いわよ。今日は4人で楽しみましょう。」
何とか和己の緊張を解そうと優花は話しかける。
「はい。」
「もうちょっとリラックスできないかな……」
そんな話をしている間にリムジンは最初の目的地に着いた。
キッ
リムジンは停止し、
「奥様、お嬢様。到着いたしました。」
と運転手がドアを開けた。
「うわぁ…凄い…」
和己は着いた場所に驚きの声をあげた。
「ふふふ。」
和己が多少はリラックスした様子を見て優花は笑顔を見せた。
「さ、入るわよ。」
香奈の言葉に風花、優花、和己の順に建物に入った。ここは日本有数の高級ホテルである。わざわざ朝食をとるためにここを訪れたのである。