PiPi's World 投稿小説

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

の最初へ
 642
 644
の最後へ

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 644

そんな話をしていると、キッチンのほうからいい匂いが漂ってくる。
お袋の隣で香澄がいろいろ教えられながら手際よく調理をこなしている。

まあもともと香澄は何でもできる子だけど、お袋に教わってさらにそれが極まった感じだよね。
青山家に戻れば弥生さんが料理の先生としているわけだし…本当に人に恵まれてる。
隣のお袋も楽しそうな顔してるしなぁ。

そういった意味でおいては、僕もかなり恵まれているかもしれないと自分を振り返る。
親父やお袋はもちろんのこと、香澄にしろ今度暮らすことになる青山家の従業員の女の子たちにしろ、嫌な奴は一人もいないもんね…

…………巧はどうなんだろう?………ふと、気になってしまう…

時同じくして生まれた双子の兄弟である。
運命の悪戯で離れ離れになったが、彼はどんな家庭で育ったのだろうか…
もしかしたら僕がそうなっていたかもしれないだけに余計に気になった。

「できましたよ〜」
香澄がリビングにいる僕らに言う。

食卓に並ぶ旨そうな料理の数々…
啓くんがまたこうして来たのも、お袋のこの料理に引かれたのも少なからずあるかもしれないよな…
何たってお袋の料理は世界一!
外国で料理の勉強をしてきた弥生さんだって、お袋には敵わないからね。

「流石ですね。この短時間でこんなに作っちゃうなんて!」
「啓くん、だったらちゃんと味わって食えよな…」

ガツガツ、かき込むように次々に食べていく啓くん…
若いうちってこうなのかねと思いながら隣でお袋の手料理を味わう。

「我ながらいい出来だと思います!」
それを手伝った香澄も満足そうだ。
しかしテーブルの上を見ると驚く。
香澄は見た目によらず大食いで、茶碗に盛られたご飯の量も明らかに親父よりも多い。

SNSでこの小説を紹介

年下の他のリレー小説

こちらから小説を探す