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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 367

やっぱり…どこか安堵する…

隣でお袋が訳も分からず驚いた表情を浮かべるが、何も聞かなかったかのように「お茶入れるはね…」と、席を立った…

和彦さんと2人になったことで、深いところまで聞けると思った…
それでも声を潜めて僕は聞いた…
「香澄ちゃんの父親って…伊藤さんですよね?…」

「…ああ、その通りだよ」
和彦さんは小さく頷いた。
「僕は彼から涼香を奪ったように思うかもしれない…」
そこでまた俯く。

「僕は、今になって自分の身勝手さに気づいた。これまでどれだけの人に迷惑をかけてきたかわからない…」
和彦さんは話を続ける。
「僕のこと、軽蔑するだろう…そうされても仕方ないんだ」

恋人同士だった伊藤さんから、涼香さんを奪って妻にした…
簡単にみると和彦さんが100%悪いんだろうけど、僕にはどうしてもそうは思えなかった。

「軽蔑なんてしませんよ…僕だって女性には散々振り回されていますから…」

「香澄か…」
ふっと笑い、和彦さんは続けた…
「あの子と匠くんの事があったから、一刻も早くそれを…匠くん君に伝えなければいけないと思ったんだ…」

「そうですか…」
僕だって気持ちは同じだった。
一刻も早く和彦さんと僕の、そして香澄ちゃんと和彦さんの関係を知りたかったのだ。

「匠くんにとって、香澄はどんな存在なんだい?」
「大切な、ずっと側にいてあげたい、そんな存在です…」

和彦さんは少し黙って、考えた後で
「そうか…匠くん、香澄のことは君に…あの子を幸せにできるのは、君だけなんだ…」

「はい…僕なんかでいいんでしょうか?…」
「君しかいないと僕は思っているさ…、あの子には随分と辛い目に合わせてしまったんだ…、香澄が自分の子供ではないと分かった時…自棄になってな…酔った勢いで執事の男と関係を持ってしまった…そいつが香澄の初恋の相手だということも知らずにな…」
あ、祐樹とかいう執事か…

「まあ酒の失敗は誰でもありますから…」 

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