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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 304

涼香さんは話を続ける。
「でも、こうして長い間関係を維持していると、不思議とお互い似ていると感じるのよね」
「伊藤さんと、和彦さんがですか?」
「ええ」
「…俺と和彦に、似てるところなんてあるかな?」
伊藤さんが照れ気味に言った。

本人は気が着かないのだろうけど、それは僕も感じることだった。
二人とも実年齢よりずっと若く見えるし、男の僕からみても好感の持てるイケメンだ。
容姿だけじゃない…年下の僕に対して年齢の壁を越えて、友達のように接してくれる親切さは、伊藤さんも和彦さんも同じだった。

「二人ともいい男よ…私は宏さんも和彦さんも大好きですもの…」
涼香さんは手を伸ばし、テーブルに置かれた伊藤さんの手の甲にそれを重ねた…

「おいおい、匠くんが隣にいるのに…君は恥ずかしくないのか?」
そう言う伊藤さんだが、あからさまに拒否する顔はしない。

「匠さんは、私たちのこと、よく知って下さってますもの…」
涼香さんが熱っぽい視線を伊藤さんに向ける。

「あ、ありがとうございました…じゃあ、失礼しますね」
「ええっ、匠くん…」
伊藤さんが何か言う前に、僕は離れを後にする。

外に出ても心臓がドキドキと高鳴っていた。
あのままあそこにいたら、どうなっていたんだろうと思う…
僕がその気にさえなれば、伊藤さんは席を外してくれたかもしれない…
それとも涼香さんを間に、3人で愛しあったのか?…

それはそれで魅惑的には思えたが、そこまでの勇気は僕にはなかった。

「ま、それでよかったのさ、それで」
これ以上考えても埒が明かないので、無理やり前向きに。

「…ほ〜、何が良かったのです?」
一人帰ろうと門を目指していると、後ろから声が…
…しかもよく知った声が。

「…って、ええー?」
「もお〜、匠さんって独り言が多いんだからぁ〜」
…メイド隊の一人、純ちゃんでした…

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