ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 215
「そうすか?…やっぱシングルベッドに2人はきつかったっすね…」
君はそんなことも感じずに熟睡してたじゃないですか…
「今晩は、もっと引っ付いて寝なきゃ駄目ですよね…」
そうくる発想、…やっぱり君は香澄ちゃんにそっくりですよ…;
…女の子、香澄ちゃんみたいな子ならまだしも、君とくっついて寝るって。
…純ちゃんが聞いたら鼻血出すくらい興奮するんじゃないか?
…いやそうじゃなくて。
…幸い、雑魚寝できるスペースはあるから、布団を持ってくるかな。
そう考えながら、僕も着替える。
「あれ?そんなオヤジ臭いのも穿くんすね…辞めた方がいいっすよ〜」
僕が寝巻きのズボンを下ろしたところで、言う啓くん…
「オヤジ臭いって…?コレのことかよ?」
「今時トランクスなんて流行りませんって!せっかくこんなカッコイイの持ってんだから、全部揃えればいいんですよ〜」
制服のズボンを下げ、あのパンツを見せる啓くん…
「あのなぁぁ〜僕はもともとそんなぁ小さなパンツよか、楽なトランクス愛好家なんだよ!」
香澄ちゃんや桜ちゃんにダサいって言われたら考え直すかもしれないけど…今の僕はこれが一番なんだってね。
「んー、そうっすか」
「君も歳をとると好みが変わるんじゃないかな」
「えー、どうでしょう…」
首を捻る啓くん。
そんな啓くんをよそに、1階に下りる。
「ああ匠、あんたスーツ持ってきたの?…」
「お袋、なんだよいきなり…そんなもん持ってくる訳無いだろ…」
本当はそんなもんは東京で、早々に古着屋に売ってしまい、もってはいなかった…
「困ったはね、今日の面接…何着ていくのよ?」
「えっ?面接って今日なの?」