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Restart life
官能リレー小説 - 純愛

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Restart life 1

その夜、不思議な夢を見た。
僕の目の前には黒服の謎の男が立っている。
そして、僕にこう言った。

「君が、生き返らせたいと思う3人の女性の名前を念じなさい。目が覚めるとその3人は、君と一緒に生活している。君は、その3人を一生をかけて愛してやること」

そう言って男は目の前から消えた。

なんだか胡散臭いだろうが、夢の中の僕はそれを信じきっていた。
3人のうち2人は決まっていた。

幼稚園の頃、僕を迎えに行く途中で、トラックに撥ねられ亡くなった僕の母親と、1歳下の妹…
2人がいたら、この人生はもっと楽しかったと思う…

…しかし、もう1人はどうしてもという存在がいなくて困っていた。
そんな時、ある一人の女の子が浮かぶ。
彼女は僕の関係者というわけではなく、一種の憧れのような…

村上里菜。
生きていれば僕と同い年、国民的人気アイドルグループの中心メンバー。
3年前、自殺なのか事故なのかはたまた…謎の死を遂げた彼女…

何が起こるかわからないけど、僕は3人の名前を念じた…


―朝。
目が覚めた。

…自己紹介がまだだったか。
僕は植田達弥、17歳の高校2年生。
両親はいなくて、一人暮らし…なのだが。
昨日見た不思議な夢は…果たして本当なのか…

まだ気だるい身体を起こし、眠気の残る中、着替えて1階に下りる。

…ん?
1階に下りると、何かいい匂いがキッチンの方からする。
…一人だけなら、こんな匂いなどしない…つまり…

「おはよう、達ちゃん」
我が母・植田遼子。
所謂アラフォーという年齢になっただろうとは裏腹に、その外見はあの頃とまったく変わらなかった。

「お兄ちゃん、おはよ」
妹・植田美咲。
僕の通う高校の女子の制服を着ている。
…こんなに可愛く成長するんだな…

…そして。
「達弥くん、おはよう」
憧れの存在も、ダイニングの椅子に座っていた。
村上里菜。
彼女も、美咲と同じ制服を着ていた。

テレビの前でしか見られなかったアイドルが目の前にいるよ…しかも僕の名前を呼んでくれた…
とまあ軽く感慨に浸ってしまう。

…うん
隣で美咲さんがジト目で僕を見ておられる。
なんだ?里菜様に見惚れてたらいけないのか?…まあいい、現実に戻ろう。

3人が僕の前に現れた…つまり、蘇ったのは今朝、しかし、3人の中ではずっと一緒に暮らしてきた体になってるようだ。
変なことを言って引かれないよう気をつけよう。

こんがり焼きあがった食パンにバターを塗りたぐる里菜。
黒髪のショートボブ…あれ、亡くなる前は確かかなり髪は長かったはず…
…僕が念じたときのイメージが、たぶんそうだったのかもしれないが…

リビングのテレビが、『芸能トピックス』といって里菜が所属してたアイドルグループの映像を写す。
「懐かしいな〜」
そう呟くのが、はっきりと聞こえた。
…あれから3年か、もうアイドルはともかく、芸能界も引退したってことになってるんだろう。
まあ、そのほうが一緒に過ごす時間は長くなるけど。

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