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官能リレー小説 - 純愛

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私は三万円…

寂れたホテル、捨てられたコンドーム、白濁色の液体のせいで固まった髪。
薄くボロボロになった布団に包まったまま天井の鏡に映る姿を見た。
『良かったよ…』
そう言われて握りしめられた三万円。

中学3年の春。

私の値段は決まった…
別に、遊ぶ金が欲しくて援助をした訳じゃない。
中3で【三万】なんて安いとか文句も言えない。

酒浸りの母親は働かない。父親は見たこと無い。
いつからだろう…、私は自分の腕に線を引くようになった。
傷だらけの腕を見ても私を買ってくれた。

これで、校納費と給食費は払えそう…

あのオヤジに感謝だ。

洗面所へ移動し、T字カミソリで腕に線を引いた。
ゆっくり…深くなりすぎないように…
新しい線が出来上がると何故か涙が流れた。
後悔からか痛みからなのか自分でも分からなかった
新しい線を引くたびに、私は痛みと同時にあたたかさを感じる。
体に出来た赤い線と同じく傷ついた私の心、そして、新しく出来た線からこぼれる鮮血の温かみを感じると、何故か抱擁されたように感じ、とても安心した。

でも、今日は痛みしか感じない。
切り口が浅いから血が滲んだだけと言うのもあるが、これ以上深く切りたくないし、でも切らずにいられない。
この傷の数は、私が苦しんだ数なのだ。
最近は、薄く傷つけるだけで満足だった。

でも今日に限ってなぜ痛むのか?
それが理解できず、私の涙は勢いを増すのだった。

でも、もう感傷に浸っている場合でもない。

私は、精液で固まった髪の毛を洗い流すため、浴室に入った。
蛇口をひねり、シャワーが勢いよく出ると、赤い腕に水が掛からないようにしながら、洗い流す。
途中、飛沫が飛び、腕が少しだけしみる。
その痛みに顔をゆがめながら、手早く髪・そして体を洗っていく。
全てを洗い流して湯舟に浸かる。
少しだけホッとする。
でもそんなに暇はない。
早く着替えてここから出なければ。

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