謎の宝箱 1
遂に、トムの前に宝箱が現れた。
恐る恐る蓋を開けると…そこには一冊の古びた本が納められているのみ。落胆しつつも手に取ってみると、表紙には見たこともない文字が書かれていた。だが不思議と読めそうな気がして、彼はその本を開いた。
最初トムは昔の解剖書かなにかかと思った。男女の詳しく描かれた裸体が並び、性器を中心とした内臓の解剖図。現在でも通じるほどしっかりと理論だった、妊娠のメカニズムや排卵から月経までの周期の説明。
だが読み進めていくうちに、だんだんとセックスの指南や体位のイラストが増えていき。ついには怪しげな薬品のレシピや儀式の進行についてなど、淫らでありながら現実味の薄いような内容が目についた。
トムは古いセックスの指南書かなにかかと落胆したが、どうしてか手放す気にはなれなかった。どうせ売り払ったところで、研究用だなんだと安く買い叩かれるのがみえていた。だったら自分が持ってても問題ないと、どこか呆けた様子でトムは本をカバンへと納めたのだった。
そして、その日の晩のこと。
「…ん?」
いつものようにベッドに入り眠っていたトムだったが、ふいに下半身に違和感を覚えて目を覚ました。布団をめくり確認してみると、股間の部分が大きく盛り上がっている。
最初は疲れマラという奴だろうかとも思ったのだが、本の中にあったリアルな挿絵が次々とフラッシュバックしていき…。気づいたときには、トムは自分の手でペニスをしごいていた。
成熟した女の広げられたヴァギナ。むっちりとした太股の間には肉厚の大陰唇の土手、モサッとした波打つ陰毛の茂みの下には濡れてるような小陰唇。幾重にも連なったそれらの中心で口を開けている膣口、男を待ちわびているような門の天辺を飾るのはぷっくらと充血し顔を出した陰核。
さらに手を速めるトムの頭の中では、幾つも並んだ膣内の構造の解剖図が浮かぶ。キュッと絞まった巾着のような入口、ぽてっと腫れたような柔らかな入口。子宮への途中の肉壁にしても、ザラザラした魚卵みたいなの、粒々とした肉豆が並んだの、折り重なった襞の連なり、短い触手みたいにピョッコリと生えたの。子宮の手前に傘をはめるような突起があったりもする。
正上位で抱き合ってる女の愛おしそうな笑み、後背位で突かれる女体の尻の膨らみから背筋の窪みが走り揺れる乳房の曲線までの美、側位で背後から抱きしめられ乳を掴まれクリトリスを摘ままれた女の嬌声をあげる様、騎乗位で跨がる女の見下すような流し目と男を咥え込みしゃぶるヴァギナの歪んだ形。
それらがトムの脳裏に浮かぶたびに、彼のペニスはさらに固く大きくなっていく。やがて限界を迎えたトムは白濁液を解き放った。
どくっ!どくん!
勢いよく吐き出された精液は、トム自身の胸元まで飛び散った。射精の余韻に浸る間も無く、彼はそのまま眠りに落ちていった。