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船内イベント
官能リレー小説 - その他

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船内イベント 3

「謙遜する事はない。少なくとも私の目には君達が一流の格闘家に見える」
「ありがとうございます。でも、ここには他にもっと強そうな人はたくさん居ますよ」
僕は周りに居る屈強な男たちに目を向ける。彼らは全員、格闘技をやっていてもおかしくはないほどの体格をしていた。
「確かに強いことは強いだろう。だが、君達はそれだけじゃなく、強さの芯の部分を持っている。おそらく天性のものだろう」
「そうですかね」
「ああ、間違いない。私にはわかる」
「あまり持ち上げられても困りますが…僕は喧嘩だってした事がないんですよ」
「それならば、なおさらだ。君達の才能は本物だ」
「ははは。まあ、そうなのかもな」
幸生はすっかりその気になってしまっている。これが変な勧誘だったらどうしよう?
僕は話題を変えようと別の事を聞いてみる。
「あの、名前を聞きそびれてましたが、お名前は?」
「おお、そうだったな。すまない」
「いえ」
「私の名前は米津荘平という。君達の名はなんと言うんだね」
「僕は紺野辰彦といいます」
「俺は白田幸生」
僕は後悔した。
話の流れに乗せられて自分達の素性を簡単に明かしてしまったからだ。これでは何かがあった時に不利になるかも知れない。
しかし、米津さんはこちらの不安感を察してか、それ以上は何も聞かなかった。
いつの間にかイベントの開始時刻になっていた。イベントといってもくじ引きをするだけのはずだ。一体、何をさせられるのだろうか?
「おっ!始まるみたいだぞ!」
「そのようだな…」
僕達三人はプールサイドにある壇上に目をやった。そこにはマイクを持った男性が立っている。どうやら彼が司会の様だった。
彼も赤いブーメランパンツを履いていて、なかなかの筋肉質だった。年齢は三十代半ばくらいといったところか。
司会が着用しているブーメランパンツには何やら機械のようなものが取り付けられており、それが微かに動いているように見える。
「さあ、皆さん。本日はこの豪華客船『美海ヴィアラッテア号』にご乗船いただき誠にありがとうございます。これより、当船のメインイベントである抽選会を始めさせて頂きたいと思います」
司会者がそう言うと、会場から拍手が巻き起こった。
幸生は隣で「いよいよか」と呟いた。
僕もなんとなく緊張してきた。
米津さんは相変わらず落ち着いている。このイベントがどういうものなのか冷静に分析しようとしているように見えた。
「まず、このイベントに参加するに当たって簡単な説明をしておきましょう。今からあなた方にやってもらう事はただ一つ。このルーレットを回してもらうだけです」
司会者がそう言うと、彼の背後の壁がスライドし、そこから大きなルーレットマシンが現れた。

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