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船内イベント
官能リレー小説 - その他

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船内イベント 2

「ここがイベント会場になるプールよ」
そこはまるでリゾートホテルにあるプールのように広々としていて真ん中に大きな噴水があった。船の中とは思えなかった。
幸生の姿はまだない。僕はプールサイドに座って彼を待った。
「おい!こっちだ」
遠くの方から幸生の声が聞こえた。声の方向に目をやると幸生の他にも数人の男性が見えた。みんなガタイがよくて肌が浅黒い。
幸生はこちらに向かって歩いてきた。彼も僕と同じようなきわどいブーメランパンツを履いているが、色は派手な黄緑だった。
「遅かったじゃないか」
「まあ、色々とあってさ。それより中々の履いてるな」
「お互い様だ。と言うか他の連中もだな」
周りの男性を見渡すと全員が似たようなきわどいブーメランパンツを履いていた。
「なんだか変な雰囲気だな」
「確かに」
僕は立ち上がって周りを見てみる。すると一人の男が近づいてきて話しかけてきた。
「君たちも参加者かい?」
「そうですが…」
その男は僕たちよりもずっと年上で白髪交じりの初老の男性だった。しかし、その体つきは鍛え上げられていて年齢を感じさせないほど若々しく見える。
どこかのスポーツジムのコーチと言われても納得できそうな感じだった。
明らかにただ者ではない異様な迫力がある。それなのに親しみやすい雰囲気もあって、初対面だというのに話が掘り下げられていく。
「どうもこの集まりの意味がわからなくてな…」
「俺もだよ。なんか怪しいけど、こんな豪華な旅行なんてそうそう出来ないし」
僕より先に幸生が言う。彼もこの男に親しみを感じているらしく、すぐに打ち解けていた。
「うむ。そうだな」
「仮に何か裏があるにしても海の上だから逃げるに逃げられない。ここはこの豪華な船旅を楽しまないと損だと考えてるな」
幸生は楽観的すぎると僕は思ったが、確かに何も起こらない限りはここに居るしかないのだ。
僕はこの男の事が気になった。何者なのか。そして、なぜ自分に声をかけてきたのか。僕は思い切って聞いてみた。
「あなたは…?」
「私は元軍人でね、今は趣味程度に格闘技を教えている」
やはり只者では無かったようだ。僕は少し身構えてしまう。しかし、彼はそんな僕の態度を気にする様子もなく話を続ける。
「まぁ、そう硬くならないでくれ。私も戸惑っているが、こういう時こそ楽しむべきだと思っている」
「そうですよね」
「ところで二人とも格闘技の経験はあるかね?」
「つい最近、少し…。まあ、プロを目指してるわけではなくて護身術の為に見よう見まねでやっている感じですが」
「俺もそんな感じだな。あくまで趣味で体を動かす程度、本格的なものじゃない」
幸生も続いた。
「信じられないな…本当に素人なのか?」
彼の顔色が急に変わった。
「えっ?」
「君達からはただならぬオーラを感じる。これは相当な鍛錬を積んでいないと出ないものだ。身のこなしも非凡なものを感じる…」
「いや、それは…」
幸生は照れくさそうだ。僕も同じ気持ちだ。まさかそこまで褒められるとは思ってもいなかった。

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