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女子大生パラダイス
官能リレー小説 - その他

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女子大生パラダイス 1

32歳のサラリーマン、橘賢治は転勤してある海の近い地方都市に引っ越す事になった。
平凡な独身男子、会社からの異動辞令にホイホイと従ってやってきた町。特に何の感情も抱かなかった。
少なくとも最初は、だ。

会社から近いアパートを借りようと探したところ、空きが見つかったのは一件だけ。しかも、そこの管理人からは驚かれた。

「まあ、アンタがいいなら手続きするけど…」
「??…お願いします」

手続きを経て数日、無事賢治はそのアパートに引っ越す。
人のよさそうな白髪の老人である管理人は快く迎えてくれたが、「幸せと思うか、居辛いと思うかは、アンタ次第じゃよ」と不思議な言葉をかけられた。

「訳アリなのか?そういうふうにも見えないんだけどな…」
賢治はその日のうちに荷物を整理し、新居で一息つく。

その日の夕方に空気は一変する。
それまで静かだったアパートの周辺が急ににぎやかになる。
部屋の前を通る足音。楽しそうな会話の声。
声の主は、ほとんど、というかすべて若い女の子だった。

このアパートの住人は、大半が近くにある女子大に通う学生。
そこに賢治がその事実を知らずに引っ越してきてしまったのだった。

「マジか…」
衝撃的な事実を知って賢治は頭を抱えた。
「なんで管理人の爺さん、それを教えてくれなかったんだ…道理で離れたところに住んでるわけだ…」

ところが。
アパートに住む女子大生たちは意外にも賢治を歓迎してくれた。

「よろしくお願いしますね」
「あ、ああ」
特に隣の部屋に住む大学2年生の吉川香菜は引っ越し当日の夜に差し入れをしてくれて、部屋で少しお茶しながら会話もした。

読書と映画鑑賞が趣味で、あまり活発な方ではないけど可愛らしくて賢治も好感を持った。
それから数時間の間に何人かの女子大生が挨拶に部屋に訪れたのだが、いずれ劣らぬ美女、美少女揃いで最初は憂鬱に感じていた賢治も次第に前向きに考えるようになった。

「会社よりずっと女の子が多いし、みんな可愛いじゃないか」

その夜はこれからの生活に、どこかありえないような期待も抱きながら風呂に入り、眠りにつく賢治なのであった。


翌朝。
仕事に行く日は早起きなのは当然のことだが、賢治にとって好都合なのはこの転勤してきた支社が自宅アパートに近いことである。通勤時間はおよそ1時間ほど短縮され交通費すらかからなくなった。なので、起きるのは遅くたっていい―

「橘さんっ、起きてますー?」
もう少し寝られる、そう思って布団に包まっていた賢治の耳に、インターホンとともに元気な声が響いた。

(これは…古嶋さん、だっけな)

上の階に住む大学1年生、古嶋真結。

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