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動乱
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動乱 4

「おい、俺はこの子を保護してシェルターに連れて行く。お前は……」
振り向きながらそう言いかけて言葉が詰まる。先程まで同行していたはずの女性部下の姿が見えなくなっていた。
「おい!!どこに行ったんだ!応答しろ!!」
そう言ってあたりを探ろうと足を踏み出した瞬間、地面を掴んだはずの足は宙に踏み出したように空を切る。歩いたつもりが、地面に倒れ込んでいた。
「あれ……なん…で……」
段々と体の力が抜け、意識が遠のく。
「だから手があるぞ“って言ったのに…バカだなぁ」
意識が薄れる中、そう悪態を吐きながらポケットから出した小型の通信機で、どこかへ連絡する少年の姿を最後に、俺の視界は暗転した…
空の赤い渦から雫型の粘液が垂らされ、気絶した寺内雅文の肉体を包んだ。装備の全てが外部に排出され、全裸となる。
吊るされた雫型の粘液は裸にされた雅文を閉じ込めたまま、赤い渦の中に引き戻されていく。

「ん…むうぅ…!?」
目を覚ました時には既に遅かった。全身を覆うような圧迫感と息苦しさに思わず悲鳴をあげそうになる。
透き通ったゲル状の物質に囚われているのだ。
手足を動かすことは出来るが、まるで水中を漂っているかのような錯覚を覚えるだけで意味は無かった。
「ここはどこなんだ!?」
俺はパニックになる。そして、周囲に広がる光景を見て更に恐怖を覚えた。
俺は赤い渦から垂らされた粘液の中に閉じ込められており、先程まで居た町が遥か下の方に見える。かなりの高さにいるようで、落下すれば即死は免れないだろう。
周囲には同じ様な粘液がいくつも垂れ下がっており、その中には素っ裸になった男達が漂っていた。
裸なのでよくわからないが、恐らくは行方不明になっている隊員達だろう。
皆、剥き出しとなった亀頭を隠しもせずに虚ろな表情で粘液内で直立している。
ペニスの展示会のようである。
「やっと目を覚ましたね」
ふと声をかけられたのでそちらを見ると、そこにはあの少年がいた。彼も同じく裸であるが、股間を隠すことなく粘液内で仁王立ちしている。
妙に落ち着いているので、どうやら少年は粘液に捕らえられてきたのではないらしい。
「君の仕業なのか!これは一体どういう事だ!」
俺は少年を問い詰める。
「さっきはよくも僕を捕まえてくれたね。おじさん」
「捕まえただなんて…」
「とぼけないでよ!僕のことを無理やり連れて行こうとしたじゃないか!」
少年は怒り心頭のようだ。確かに俺は彼を連れ去ろうとしたが…。
「それは誤解だ!俺は君を保護するために…」
「保護だって?おじさん達、レジスタンス組織とか言っていたけど、結局は僕の敵なんだろ?」
「ち、違う!俺達はお前の味方だ!」
俺は必死に訴えかけた。しかし、彼は信じていないようだ。

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