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動乱
官能リレー小説 - その他

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動乱 3

俺はそう答えながら銃を下げて彼の方に歩み寄った。
「そう言うお前の名前はなんていうんだ?」
「僕は…名前なんかない」
「えっ?どういうことだ?」
俺は困惑した。名前がないだと?どうなっているんだ。
親が居なくとも施設に居れば何かしらの名前はつくはずだ。
なのに名前がないという事は、彼を育てた人物が彼を名前で呼ばなかったかあるいは名前を知らなかったということになるだろう。まぁいい。後々聞けばいい話だ。それよりも今は…。
「ところで君は怪我はないかい?他の人達はどこに居るか知らないかな?」
俺は今度は優しく話しかけた。
まずは彼の安全確保が先決だと判断したからだ。だが…。
「だからあんたらが何なのか分からないし、僕のことを勝手にどこかに連れていこうとするならこっちにも手があるぞ」
と、彼は敵意丸出しのまま答えた。仕方ない。俺は強行手段に出た。
彼が暴れないよう両腕を掴んで強引に茂みの陰に引き摺り込んだのだ。彼は必死に抵抗するが所詮子供だ。大人の力には到底勝てるわけがなかった。彼は悔しそうにしているものの抵抗をやめておとなしく従っている。
「よし良い子だ。そのまま静かにしていろよ。何もしないから安心しろ」
俺はそう言いながら少年を抱え上げた。
すると彼は俺の体にしがみついてきた。
やはり怖いのだなと思いつつ俺は歩き出した。
とにかく今は生存者の確保と保護が最優先事項だ。一刻も早くここから脱出しなければならない。
この少年に時間を取られてしまった以上急ぐ必要があるだろう。
それにしてもおかしい。何故彼はこんなところに一人で居たのだろうか。

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