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初恋の人は
官能リレー小説 - その他

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初恋の人は 79

それから、いいニュースと悪いニュースが一度に来た。いいニュースはPTAの会長だったオッサンが車で事故を起こしたことだ。初歩的なペダルの踏み間違いで、店に突っ込んだ挙句に妊婦を轢いたらしい。
被害者は気の毒だが、金も女も思いのままにしてきた有力者も老いて加害者となりはて、民事訴訟でも実家の会社のライバルの一族も権威が失墜した上に世間から白い目で見られることだろう。
悪いニュースは両親に春香との結婚の事実が露見した。逃げても実家の力ですぐ逃亡先も割れてしまうだろうから、大人しく呼び出しに応じることにした。

「お前!本当にあんな女でいいんだな?」
「あんな女じゃありません、妻の春香です。親父」
「まあ、年の差と教師と教え子ってのはフランスの偉い人もそうだったな。だが、その春香さんの別の顔も知っているのか?調べはついてるぞ」
「もちろんです、それも含めて愛してます。俺の妻は、度を越して献身的で並外れて忠実です」
「お前らしい。アイドルにも女優にもさして興味を持たないと思ったら、ハードコアAV女優とは。お前は体も大きいし、精力も相当強いのだろう。それを受け止めれる女性となれば、限られてくるという訳か」
「分かってもらえて、嬉しいです」
「勘違いするな、これで貸しができたんだぞ。すぐにうちの会社の一員になってもらう。まず大学を卒業しろ。就活はいらないから、気は楽だろ。卒論が無理なら、その手のルートから用意させる」

男同士ということで親父と話すこととなった。俺の身長やラグビーで鍛えたこの肉体がいい方に作用したのか、それともオッサンが犯罪者となってライバルの一族の大スキャンダルとなったので機嫌がいいのかまでは分からない。

「春香、どうだった?嫌な事と言われたか」
「私のような女は、仕方ありません」
「奴隷妻だろうと、俺はお前を守る。聞かせてくれ!」
「はい…」

女同士といっても未来の嫁姑だし、地元財界人の一族の妻なので、母は教師すら見下しているのにそれが年増で体まで売って変態相手の作品に出ていたのだから、当たりは厳しいはずだ。
話し合いでなく、一方的に言われたらしい。まず孕んで子供を始末したことがあるかに始まって、愛人を持つ事とその妾に子供を産ませることも認めさせられたらしい。

「それでは、本妻として立場がないだろ」
「いえ、お母さまがおっしゃることが正しいかと。それと、結婚式は行わないと。地方で災害も起きてるし、そのせいにして自粛として行わないとか」
「そこはむしろ好都合だ。義理ごとを大きくして、お前を見世物にはしたくない」
「ご主人様が、それでよければ…私はかまいません。それと、ご実家の事業を支える人材の作り方と、本妻の務めを…」
「それは、俺も聞いたことがない」
「これは、お義母さまに口止めされてますので…」
「言え、奴隷妻だろ!」
「私、お叱りを受けますが、ご主人様がお知りになりたいのでしたら…」

昔『筋金入りの兵隊』という単語を法事か何かで聞いたことがある。それが春香が語る『会社の子』と呼ばれる人材は裕福でない家庭の出ながら資質を見いだされて全寮制の厳しい進学校に入れ、将来の幹部候補として禁欲的な生活の中で鍛えさせる一方で、本妻が優しいおばさんとして定期的に接触して性のはけ口となることが伝統らしい。学費と性的サポートでおのずと忠誠度の高い人材が獲得できる秘策だったとは、なんとも衝撃的だ。

「実の母親がそんな事をしてたというのか…!」
「ご主人様…お義母さまを悪く思わないでくださいませ。熟した肉体を持つ女には童貞狩りが何よりの喜び…気苦労が多いお立場なら尚更…」
「正直、子供の頃にお前に叩かれたときよりもショックを受けてる。優奈は、もしかしたら…親父以外の種で…」
「それ以上は…いけません!墓場まで…」
「でも、いいんだ。俺は、マザコンじゃないし…特に受験生の頃にガミガミ言われたのを今でも根に持ってる。お前が秘密を打ち明けられたということは、身内として認められた証拠だ」

倒れたらすぐボールを手放す、と教わった時のように、達観して離婚しろと言われなかったことを喜ぼう。近い将来後継者として重大な会議に出た際に、本当の優奈の父親がいるかもしれないと思うと、複雑な心境だ。
しかし、本妻の努めには春香はぴったりだろう。冷静に考えると、教師の経験もあるしハードなプレイに耐えれて、しかも見るからにエロいボディだから適任である。春香にはボーナスステージかもしれない。

「うちの両親は納得したにしても、お前の身内はどうなんだ?」

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