初恋の人は 62
「理解はしてるさ・・・」
彼女を俺だけのモノにできない悔しさは無いとは言えない。
でも、彼女が俺の側にいるだけでも満足しなきゃこの関係は続けられない。
そんな会話をしてると、みどりが前菜を持ってくる。
その姿に目が釘付けになる。
みどりは裸・・・
正確に言うと、赤い縄で亀甲縛りをした状態。
確かFカップとか言う大振りのおっぱいが緊縛で強調されている。
下腹部は陰毛が剃られ、乳首や陰部にピアス。
そして首輪をした彼女は、まるで雌奴隷と言った様子だ。
「みどりさんの全裸給仕サービスってやつよ」
「きららさん程綺麗な身体じゃないけど、鑑賞して貰えればありがたいわ」
流石元AV女優だけに堂々としたものだ。
「主人が私のこう言う性癖を理解してくれてるからこそできるの」
「ああ、いい夫婦なのは見ていても感じたしね」
旦那のシェフの方もこんなアンダーグランドな場所で店を構えているだけに、それなりに歪んだ性癖でも許されるんだろう。
そしてそんな旦那だからみどりも結婚できた訳だ。
「きららちゃんはなかなかの彼氏を見つけたみたいで何よりだわ」
「彼氏というか、ご主人様ですね」
「ふふ、そっちなのね。上手くやってるわね」
みどりが微笑む。
彼女たちなりの独特のやり取りというか、何というか。
「コーくん、私が撮影の間みどりさんを抱いてみない?」
「……大丈夫なのか?いろいろと」
そう聞いた俺に、みどりが意味ありげに微笑む。
「でも、その前に・・・きららちゃんは彼をご主人様にするのよね?」
「うん、そのつもりよ」
「なら、先にやるべき事があるわ」
みどりが俺を見る。
その顔はかつてのAV女優だった頃の吉良みどりそのものだった。
「浩輔くん、私もきららちゃんもそこにチ◯ポがあれば誰彼構わず咥え込む盛りのついたメス犬なの・・・だから優しくするより躾が必要なのよ」
彼女の緊縛姿は、その躾の一環なのだろうか。
「まず、私達メス犬は人間じゃないんだから服など不要・・・きららちゃんに人間のフリを止めてメス犬らしくしろと命じて」
そう言うのが躾なのか。
きららを見ると、何かを期待しているように見える。
「きらら、脱げよ」
「うん!」
かなり嬉しそうにきららは服を脱ぎ出す。
全裸になり、椅子では無く床に座る。
「じゃあ浩輔くんは前菜をどうぞ・・・きららちゃんには後で餌を持ってきてあげるわ」
そう言うみどり。
前菜が一人分しかなかったのは、もしかしたらこうなるのを見越して・・・
いや、これを俺に教える為なんだろう。
きららは椅子座る俺に寄り添い見上げてくる。
見上げる仕草はやはりドキリとさせられてしまう。
すると今度はみどりと共にシェフがやってくる。
「君がきららちゃんのご主人様なんだね」
「はい、まだ意味は分かってませんけど・・・」
「まあ、難しい話では無いよ・・・彼女達は普通の暮らしができないようになってしまっているから、それを理解して寄り添うだけの事さ」
みどりのシェフを見る表情から、こんな扱いを受けながらも凄く信頼してる様子が窺える。
「だからと言って誰かの特別な存在になりたいと言う欲求が無くなる訳ではない・・・むしろ強くなる」
「それが奴隷だと?」
「そうとも言える・・・優しくもチヤホヤも普段からされているからね・・・こんな事を許すとは特別な人だけと思えるのが充足感に繋がると言う訳だ」
シェフは俺にみどりがされているのと同じロープを手渡してくる。
そして俺はシェフの教えを受けながらきららを縛っていく。
緊縛したきららに何時も以上に興奮するものがあった。
こんなプレイ、俺にしか許してないと言う征服感がゾクゾクするのだ。
正直慣れないというかこうやって人を縛るのってなんか犯罪臭がしてあまり自分からやりたいと思えるものではなかったのが本音。
ただAVにはそういうプレーもあるしきららも多少は経験があるからと言われ、教わりながら今がある…のだ。
「コーくんに縛ってもらってるんだ…なんかワクワクする」
「これでいいのか不安になるよ」
「いいのよ、なんか嬉しくてお漏らししちゃいそうな気分よ」