幻影 47
「あぁぁんっ、そこ、それがいいのっ」
回転させたことによりさらなる快感を優佳里に与える。
それがたまらなく気持ちいいらしい。
今の彼女である結衣はこうするとさらにかわいい声で鳴いてくれるのだ。
「んっ、あぁんっ、これっ、どうにかなっちゃいそうっ」
「いつでもイッていいからね、優佳里」
そうは言ってみたものの、本当のことを言うと…僕にはそんな余裕は無くなって来ているのが正直なところだった;…
出来るなら優佳里に先にイって貰いたい…
そう思うのは男としては当然の心理だとは思うんだけど…
僕は奥歯を噛み締め、込み上げて来るものを必死に堪えて腰を打ちつける…
ただひたすら腰を打ち付ける。
立ち上る限界点に向け無心で、優佳里を絶頂に導くために。
「ああっ、いい、気持ちいい!!」
優佳里の声のトーンがまた一段階上がる。
「来ちゃう…すごいの来ちゃう…ダメ…」
「いくよ、優佳里!!」
「あっ、ああ〜っ、もう、イっちゃう…!!!」
悲鳴にも近い雄叫びを上げ、白目を剥く優佳里…
それを確認した瞬間、僕の中でも熱い塊が電光石火のように駆け上がってくる…
「あ!………イクぅ」
その言葉はもう優佳里の耳には届いてはいないだろうけど、いつもの癖で僕は小さく囁く…
その声は優佳里には届かせるようなものではない。まして彼女は快楽の渦に飲み込まれているのだから…
力尽きるように僕は優佳里の上に折り重なるように倒れ込む。
久々の感覚だ。
「ありがとう、優佳里…」
耳元に近づき囁くが、その声は届いてるだろうか。