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幻影
官能リレー小説 - その他

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幻影 29

「お兄ちゃんに負けないよう、私も頑張らないとなぁ〜」
「な、何をだよ?」
「うふふ…秘密!」

彩月はそう言って部屋のドアを閉めてしまった。
全くわからない奴だ。
まあ美少女のアイツなら彼氏なんてすぐできるだろう…

やっぱり兄としてはそう願わずにはいられない…
僕が言うのも何だけど、妹の彩月には一日も早く亡くなった結衣のことは忘れて、ちゃんとした男と幸せになって欲しいからな…

「ぅう〜ん…」
おっ、現実に存在する結衣のお目覚めだな…

「ごめんなさい豊さん…私ばっかり気持ちよくなって意識飛ばしちゃって…」
「いいや、結衣が気持ち良ければ何よりさ」
僕は結衣の頬を優しく撫でた。

「豊さん、あったかいです」
そう言う結衣がここにいるのが、一番ホッとする。

「結衣のお陰だよ…こんな安らかな気持ちになれたのも久しぶりだからね…」

「よかった…もう亡くなってしまった彼女さんのことは大丈夫ですか?…」

結衣が先代の結衣のことを口にするのは、これが初めてのことだった…
結衣は結衣なりに僕に気を使ってくれていたんだな…

「今は、結衣がいるから大丈夫さ」
「ふふっ…私…名前も全く一緒だから他人のようには思えないんです…」
「それは僕も一緒さ」

「でも私、豊さんから絶対に離れません。離れたくないです」
「僕もだ」
どちらからでもなく抱き合った。

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