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幻影
官能リレー小説 - その他

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幻影 14

大スクリーンに広がる色鮮やかな色彩…
結衣に連れて行かれたのは今大ヒットしているアニメ映画だった…

まあ流行に置いていかれないためにも、観ておいてもいいよね…

後部座席に陣取った僕と結衣はしっかりと手を繋ぎ、映画を鑑賞する…

見始めてからはあっという間だった。
結衣の手の温もりで肝心の映画に集中できたかははっきり言って謎だけど、映画自体は素晴らしい作品だと思った。

「いい作品でしたよね?」
「うん…」
「私コレ、四回目です」
「そんなに見てるの!?」

「大好きな作品ですから。でも、誰かと一緒に見たのは初めてです」

「そうなんだ…僕も結衣ちゃんと一緒に観れてよかったよ…」
「よかったぁ…あの主人公の男の子、なんだか豊さんに似ているなぁって…初めて会った時からずっと思っていたんです…」
「ぅえっ;そうかな?…僕はあんな純粋な男じゃないと思うけど;…」

「恋に落ちると、いろいろ見え方も変わるのかもしれませんね」
「なんか大袈裟かもね」
「私はいつでも本気ですよ」

「それを言うなら僕だって…」
結衣が近づき、僕を抱き締め、唇を重ねた。
不意打ちに身体が一瞬で硬くなってしまう。
全身に柔らかな感触…もう身を委ねる。

「……豊さん、お願い……シテ」

「あ、ああ…」
僕だってそれをずっと待っていたんだ…
きっとあの映画の主人公だって、ラストシーンの後はラブホに行ったに違い無い…

僕は結衣の手を握り、料金表が行灯に輝く建物の中に足早に入って行った…

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