(続)格好が・・・ 23
「先輩方かっこいいなあ」
広夢は先輩四人の方を見てつぶやいた。巨乳ビキニの二人を見たのではなく、男二人を。
広夢は数年前に適当に買ったダボダボのトランクス型海パンを穿いていた。
「広夢の海パンも、今度一緒に新しいの選びに行こうよ」
「うん。でも、ああいう大胆過ぎるのはちょっと恥ずかしいな」
「じゃあ、高杉くんみたいなのがいいじゃない」
「そうだね。あの位なのがいいな!」
真美と広夢は洸の方を見つめる。洸は通常のビキニパンツで、色は紫だった。
それから、8人は泳ぐ前の準備運動をした。
「ねえ。あっちで一緒に泳ぎましょうよ」
「うん」
準備運動を済ませ、全員でプールに入ったが、真美と広夢は他の6人と離れ、2人で仲良く泳いでいた。
遥「あの2人、何だか急に仲が深まったみたいじゃない」
泉「そうね。お互い呼び捨てで呼び合ってるし」
真美と広夢の様子を見ながら遥と泉が話してると、
「あの2人、卒業式の次の日に雪乃先輩の家に呼ばれて、そこで初体験したそうですよ」
「「えぇぇぇ…」」
紗綾香が言ったことに、遥と泉はもちろん、男子3人も驚く。
卒業式当日、レオタード姿で卒業証書を授与された雪乃は、式典が終了すると急いで制服に着替えた。
「あーあ、恥ずかしかった」
着替えを終えて校庭に出た雪乃を紗綾香や真美、広夢らが出迎えた。
真美「雪乃先輩、卒業おめでとうございます」
雪乃「ありがとう!」
また、この日は望美と香織も来ていた。
望美「森崎さん、卒業おめでとうございます」
香織「私たちも昨日、卒業式を済ませました」
やがて、解散した後、雪乃は真美と広夢の2人を傍に呼び寄せ、
「明日、2人で私の家に来てちょうだい」
そう告げた。
翌日、真美と広夢は雪乃の家へ向かった。雪乃の家は3階建てで、1階が喫茶店、2階と3階が住居になっていた。
2人は喫茶店の中に入った。店内はとても広く、その店内を見渡すと、壁に『白き天使』の絵が飾られていた。その絵は前日、卒業式を終えた後、広夢から雪乃に贈呈されたものだった。
間もなく、奥から雪乃がやって来た。
「2人とも、いらっしゃい。待ってたわよ」
雪乃は真美と広夢を奥へ通し、2階のリビングに案内した。
3人はリビングに入ると、真美と広夢が隣り合ってソファーに座り、その向かい側に雪乃が座った。
「広夢くん、貴方に描いてもらった『白き天使』だけど、うちのお店に飾らせてもらってるわ」
「はい。さっき拝見しました」
「どうもありがとう。貴方にはとても感謝してるわ」
「いえ。僕の方こそ、お蔭様で、いい絵を描くことができました」
「真美ちゃんも偶にはうちのお店に来てね。ここは学校からも近いし」
「ええ。もちろんです」
3人は笑顔で語り合う。
「ところで、あなた達、今、つき合っているのよね」
「はい」
雪乃に言われ、広夢が返事をした。
「それで、もう初体験はしたの?」
「えっ…えぇぇと…」
雪乃の意外な問いに、広夢も真美も戸惑った。
「お願いだから、正直に答えて」
「は、はい。…まだです…」
鋭い眼差しで雪乃に問われ、広夢は返答した。
「そう!」
雪乃はソファーからスッと立ち上がり、突然、2人の目の前で服を脱ぎ始めた。上着、シャツ、スカート、下着と、どんどん脱ぎ、全裸となった。
「真美、貴女もすぐに脱ぎなさい」
「えっ!?」
雪乃の指示に真美は戸惑う。
「先輩、一体どういうつもりなんですか?」
意外な行動を示した雪乃に広夢は尋ねた。
「私、広夢くんのことが大好きなの。『白き天使』を描いてもらってからというもの、貴方のことが好きでたまらなくなってしまったの。でも、広夢くんには真美がいる」
「先輩!」
広夢は呆然としながらも雪乃の話を聞いていた。
「そこで私、考えたの。私と真美の2人が同時に広夢くんの前で裸になって、どちらを取るか、広夢くんに決めてもらうことにしたの」
「雪乃先輩!」
真美は雪乃をジッと見つめるばかりだった。
「だから真美、早く脱ぎなさい。それとも、私に広夢くんを取られてもいいの?」
「私、広夢くんを取られたくないです」
雪乃に促され、真美も服を脱ぎ出し、たちまち全裸となった。