「本当ですか！」
「ああ、さっき決まったらしいんだよ。先方から電話で連絡があって君の契約に物凄く反対してた部長さんが今朝、電車内の痴漢で現行犯逮捕されたらしいんだよ」
今朝の男は取引先の会社の部長で俺は面識が無かった。
その午後、同僚の田崎が小声で話しかけてきた。
「なあ、お前、女になれるんだろ？ちょっと女になってくれよ。」
俺はとぼけた。
「何の話だ？」
「お前が駅のトイレに入るところを偶然見たんだよ。」
「気のせいか、人違いだろ」
「気のせいでも、人違いでもない。女子トイレに入る男がいるのかよ。」
「もう、うるさいな。証拠でもあるのかよ。そんなに女とやりたければ他を当たれ。俺は忙しいんだよ。」
俺は足早にその場を離れた。
「田崎は、ウザいやつだな。」
（しかし、これからは気を付けなければならない・・・いつ、何処で誰が見てるか分からないからな）
俺は漏れそうだったので急いでトイレに入り考えていた。
（田崎は俺を完璧に疑っているよな・・・こうなったらヤるしかないのかな）
決心はついたが、どのように田崎とヤっていく方法に向ければいいのか田中は考えていた。
（アイツは俺の事を偶然見つけたと言ってたよな・・・。だったら、ナンパしてホテルに誘うというのもアリだな）
田中は頭の中で色々な事を考えていた。